アメリカ(米国)で商標登録する~出願の方法は?商標制度の特徴は?~

アメリカ(米国)でビジネスを展開するのであれば、アメリカ(米国)で商標登録を行うことはビジネスの上で必須事項です。しかし、日本では商標登録の経験があるけれどもアメリカ(米国)で商標登録の経験が無い、特許事務所に手続を依頼しようと思うが基本的な知識は知っておきたいといった方に、アメリカ(米国)での商標登録の基本的な知識、知っておくと役に立つ情報などを紹介します。

出願の方法

商標登録の出願は、マドリッドプロトコルによる国際登録出願(マドプロ出願)か、現地国の弁理士や弁護士などの代理人を通じてアメリカ(米国)特許商標庁に出願する方法があります。商品・役務(サービス)が幅広く、区分数が多い場合やアメリカ(米国)だけでなく他のマドプロ加盟国でも商標登録したいような場合は、マドプロ出願にコスト的メリットがあるでしょう。区分数、国数によって費用は変わってきますので、アメリカ(米国)での商標登録手続を手配してくれる特許事務所などから事前に見積をとってみましょう。

登録までの審査:審査の内容及び期間

マドプロ出願

マドプロ出願をした場合、出願書類を日本の特許庁に提出してから約6ヶ月程度で国際登録され(形式審査で補正などを指摘された場合、さらに2~3ヶ月要します。)、その後、アメリカ(米国)特許商標庁で、アメリカ(米国)での商標権の効力を認めるべきかどうかの審査が行われます。アメリカ(米国)特許商標庁が国際出願を受領してから最初の審査結果がでるまでの期間は、およそ3ヶ月です。

直接出願

現地の代理人を通じ、各国の特許庁に出願した場合、そのまま形式審査、実体審査が行われます。実際の審査期間(出願から最初の審査結果がでるまでの期間)は、およそ3ヶ月です。

指定商品・指定役務に関わる留意事項

国際分類を採用しており、日本と同様の商品・役務区分となります。ただし、アメリカ(米国)独自の詳細な指定商品・役務表記が求められる場合がありますので、USPTOのTrademark ID Manual(https://idm-tmng.uspto.gov/id-master-list-public.html)で採択例があるか確認する必要があります。特に、マドプロ出願の場合、指定商品・役務の表記が日本の審査やマドプロの形式審査で認められても、アメリカ(米国)の審査で拒絶される場合がありますので留意が必要です。

絶対的拒絶理由:識別性が無いとの拒絶

アメリカ(米国)の審査では、絶対的拒絶理由、つまり、商標に識別力があるか(普通名称や記述的な表示にあたらないか)、ということが審査されます。商標に識別力があるか否かは、その表示が不特定多数に使用されているかなどの、その国での状況から判断されますので、日本では登録になっても、アメリカ(米国)では識別力が無いと判断される可能性があります。

相対的拒絶理由:他人の商標と抵触するとの拒絶

アメリカ(米国)の審査では、相対的拒絶理由、つまり、類似する他人の登録商標が存在しないか、ということが審査されます。引用商標権者からの同意書を取得することができれば、登録できる可能性が高まります。

拒絶理由通知への対応

拒絶理由通知の日付から6ヶ月以内に応答する必要があります。

異議申立

出願公告後、30日以内の間に誰でも異議申立を提起することができます。その手続は民事訴訟手続に準じた方式で行われ、最後まで争うと相当程度の費用が生じるため、当事者間の交渉を通じて解決を目指す場合が多いです。

商標の使用に関する留意点

出願にあたって

アメリカ(米国)の商標登録出願は、実際の商標使用や外国における登録を基礎として出願が可能です。以下の5つの基礎の種類があります。

  • 使用に基づく出願
    出願時に使用証拠の提出が必要です。
  • 使用意思に基づく出願
    登録時に使用証拠を伴う使用宣誓書を提出することが必要です。出願時にアメリカ(米国)内で商標を使用していることは求められませんが、登録までに使用を開始する必要があります。
  • 外国出願に基づく出願
    アメリカ(米国)外で出願している必要があり、その外国出願の範囲内の内容で出願が可能です。外国出願が登録された際にその登録証の控えを提出する必要があります。
  • 外国登録に基づく出願
    アメリカ(米国)外で登録している必要があり、その外国登録の範囲内の内容で出願が可能です。出願時に外国登録の登録証の控えを提出する必要があります。
  • 国際登録に基づく出願
    マドプロ国際登録出願において米国を指定する場合です。国際登録出願時に「標章を使用する意思の宣言書」(MM18)を提出する必要があります。

使用証拠

登録から5~6年の間及び更新手続時(登録から9~10年の間)に使用証拠を伴う、使用宣誓書の提出が必要です。使用証拠についてはこちらの記事をご参照ください。

アメリカの商標使用証拠:ウェブページを商品商標の使用証拠とする際の注意点

プライムワークス国際特許事務所 弁理士 木村純平

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