恵比寿・代官山の美容院と商標登録

biyoushitsu弊所は、住所は恵比寿西なのですが、東急東横線の代官山駅からもほどよい距離に位置しており、不動産の広告的に言えば「2駅3路線利用可能、ファッショナブルタウン、恵比寿・代官山エリアに位置する好立地」に事務所を構えております。
言わずと知れたおしゃれタウンなので、若い女性に受けそうなカフェやらバーやらがたくさんあるのですが、さらに特筆するべきは美容院・ヘアサロンの数です。1ブロックにだいたい3軒ぐらいはあります。ひどいときには(その店がひどいわけでは無いです。あくまでも比喩です。)同じビルに3軒あったりします。

美容院・ヘアサロンの登録商標と店舗数

商標の弁理士なものですから、関心は専らこれら店舗の名前が商標登録されているかどうかというところなので、美容・理容の役務(サービス)に関する商標登録を調べてみると、34,045件ということでした。これだけでは、割合として多いのか少ないのかわからないので、実際の全国の美容院・理容院の店舗数を調べてみると、厚生労働省によれば合わせて36万件の店舗があるとのことです(厚生労働省HP)。

同じように飲食店も調べてみると、特許庁の商標登録は77,963件で、実際の店舗数は約62万件とのことです(総務省統計局より)。

こう見てみると、2業種ともだいたい実際の店舗数の1割ぐらいが商標登録されているという、ざっくりした相関関係がありました。1割を多いとみるか少ないとみるか、は意見の分かれるところだと思います。もちろん、商標弁理士としては、もっと商標登録して欲しいところではあります。

なぜ登録商標の割合が少ないか?

この2つの業種の似たところは、個人事業主が多く、個々の事業体の規模が小さいというところだと思います。基本的に1店舗で営業を行っていれば、たとえ商標権侵害を行っていたとしても、商標権者の目から見逃されているケースが多いでしょうし、経営規模の小さい事業主は、経営が安定しない状態で15万円程度の費用をかけて、商標登録しようとは思わないかもしれません。

商標登録をしないリスク

しかし、たとえ他人の登録商標を知らない場合であっても、商標権侵害は商標権侵害です。高額な損害賠償は発生しないケースはあるかもしれませんが、それ以降日本国内においてその名称を店舗に使用することは強制的に禁じられます。

店が繁盛し、話題になればなるほど商標権侵害の危険も確実に増大します。店舗を2店舗、3店舗と拡大していけばより商標権者がその事実を知る可能性が高まります。商標登録は早いもの勝ちですので、たとえその商標権者より早く開業していたとしても、侵害と見なされてしまうでしょう。そして、店舗名を変更するということは、看板、チラシ、料金表、備品など、店舗名が記載された全てのものを作り直さなくてはならず、かなりのコストが生じるでしょう。また、いままでの顧客に浸透した名称を使えなくなってしまうことは、大きな広告的価値の損失と言えます。

特に同じ業種が集まるような人気エリアでは店舗名の紛争が起こる確率は高くなります。また、同じような名称で他人が店を開いていれば、単に嫌な気持ちになるだけでなく、ブランド価値も希釈しますので、プロモーションの障害とならないよう商標権を武器に適切な通知・警告を行うなどの対処が必要です。

ブランド管理を適切に行っている大手のチェーン店などでは、業界内の情報を収集し商標権侵害が発生していないかを常にモニタリングしています。弊所内でも美容院に関する警告事件を取り扱ったケースがありますが、相手方である沖縄県の美容院は、結局、店舗名のはいった看板から全ての備品に至るまで変更しなければならなくなりました。

商標登録に費用がかかると言っても、いったん登録されれば、10年間は費用が発生しません。また、それ以降は最初よりずっと少ない費用で半永久的に更新していくことができます。

新たに2店舗目を出店する、もしくは、美容院・ヘアサロンで言えば恵比寿・代官山エリアのような人気エリアに店舗を出店するような場合、その計画に店舗名の商標登録を組み込んでみてはどうでしょうか。将来の余計なリスクを排除するのも経営者の大切な役目です。

プライムワークス国際特許事務所 弁理士 木村純平

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