台湾で商標登録する~出願の方法は?商標制度の特徴は?

台湾でビジネスを展開するのであれば、台湾で商標登録を行うことは必須事項です。しかし、日本では商標登録の経験があるけれども台湾で商標登録の経験が無い、特許事務所に手続を依頼しようと思うが基本的な知識は知っておきたいという方に、台湾での商標登録の基本的な知識、知っておくと役に立つ情報などを紹介します。 

指定商品・役務 

登録するには商標の他に指定商品・役務を決める必要があります。日本とほぼ同じ指定商品・役務区分です。類似群まで確認したい方は、日本・台湾の類似群の対応表も特許庁から利用でき、台湾特許庁(台湾智慧財產局)のサイトでも確認できます。 

日台類似群コード対応表 (ニース国際分類[第11-2020版]対応)の公表について 

台湾特許庁(台湾智慧財產局)/商品及服務名稱分類查詢 

調査の方法 

台湾特許庁(台湾智慧財產局)の検索サイトから先行商標が検索できます。英語版と中国語版があり、英語版からでもいろいろな条件から調べることができます。 

台湾特許庁(台湾智慧財產局)/商標検索系統(English) 

出願の方法 

マドリッドプロトコルによる国際登録出願(マドプロ出願)は使えません。商標登録の出願は、現地の弁理士や弁護士などの代理人を通じて台湾知識産権署に出願する必要があります。区分数によって費用は変わってきますので、台湾での商標登録手続を手配してくれる特許事務所などから事前に見積をとってみましょう。 

【出願に必要な情報・書類】 

出願人の名称・住所 英語又は中国語の表記が必要です。「株式会社」は「股份有限公司」と訳す必要があります。 
商標 文字、図形、立体、音、位置、色彩のみ、ホログラム、動き、トレードドレス、匂いの組み合わせなど商標の登録が認められています。団体標章、証明標章といった商標の登録制度があります。 
指定商品・役務 上述のとおり、指定商品・役務の区分は国際的な取り決めがあるので、ほぼ日本と同じです。 
委任状 必要です。 
台湾国内における商標使用の有無 不要です。3年間不使用の場合、第三者は登録の取消を申し立てることができます。 

登録までの審査:審査の内容及び期間 

現地の代理人を通じ出願を行い、形式審査、実体審査が行われます。 

指定商品・指定役務に関わる留意事項 

規定の商品役務表示ではない場合、商品・役務に関する資料の提出を求められることがあります。 

絶対的拒絶理由:識別性が無いとの拒絶 

台湾の審査では、絶対的拒絶理由、つまり、商標に識別力があるか(普通名称や記述的な表示にあたらないか)、ということが審査されます。商標に識別力があるか否かは、その表示が不特定多数に使用されているかなどの、その国での状況から判断されますので、日本では登録になっても、台湾では識別力が無いと判断される可能性があります。 

拒絶理由通知

相対的拒絶理由:他人の商標と抵触するとの拒絶 

台湾の審査では、相対的拒絶理由、つまり、類似する他人の登録商標が存在しないか、ということが審査されます。 

拒絶理由通知への対応 

拒絶理由通知を受けた場合、2ヶ月以内に意見書・補正書の提出が可能です。拒絶理由が解消されない場合は最終的に拒絶査定がだされます。 

審査期間 

審査期間は約9ヶ月程度です。登録査定が送達され、登録料を納付すれば公告されます。 

異議申立 

第三者は登録公告後3ヶ月の間に異議申立を提起できます。異議申立を提起された場合でも異議申立が認められない限り登録した状態は保たれます。 

登録 

登録されると、商標権は登録公告日を起算日として10年間有効とされます。それ以降は更新手続を行うことで権利の存続が可能です。 

プライムワークス国際特許事務所 弁理士 木村純平

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「外部活動報告」その5:日本弁理士会 記者説明会に参加しました

我々弁理士が所属する日本弁理士会では、定期的に「記者説明会」を開催していて、メディアの記者の方々に向けて、日本弁理士会会長の就任挨拶や活動報告、法改正の解説など行っています。この7月13日の同説明会では、日本弁理士会内の実務系委員会(貿易円滑化委員会、特許委員会、意匠委員会、商標委員会)の各委員長をスピーカーとして、法改正やトピックスに関する説明が行われました。私は商標委員会の委員長として、商標に関する発表を担当しました。 

厚生労働省が作成した「アマビエ」を用いたアイコン

記者説明会の発表テーマ

今回の法改正において、商標法関連で最も大きなものは「増大する個人使用目的の模倣品輸入に対応し、海外事業者が模倣品を郵送等により国内に持ち込む行為を、日本における商標権の侵害として位置付ける」というものがあります。実務的に大きな改正であり、商標法だけでなく、意匠法にも同様の改正がされた関係で、貿易円滑化委員会(萩原賢典委員長)が発表を担当しました。特許委員会(筆宝幹夫委員長)からは、救済制度(特許権の回復制度)の大幅緩和と審判口頭審理のオンライン化等について、意匠委員会からは、画像・建物・内装の意匠登録事例の紹介がされました。 

商標関連では、「個人輸入の商標権侵害化」以外に目立った法改正がなかったので、最近何かと話題になることが多い、商標出願と「炎上」をテーマに発表を行いました。 

商標出願の「炎上」について 

発表内容は、下記のような感じです。 

最近、商標出願が「炎上」することがネットやニュースで話題となることが増えてきました。他人の商標を勝手に出願したなど、「炎上」するのもしかたない、というケースもありますが、中には、これが「炎上」するのはちょっとかわいそうだな、というものも少なくありません。 

例えば、広告代理店の電通さんが「アマビエ」という商標を出願した件などは、立場上、出願せざるを得ない事情があったのだと私は理解しています。というのも、商標制度は「先願主義」といって、「早い者勝ち」が基本です。先に出願した人に権利が与えられ、その権利は「独占排他権」という非常に強いものです。しかも、「アマビエ」のような、誰のものかもはっきりしないような言葉は、誰のものでもない分、誰が商標出願してくるかもわからず、しかも、登録が認められるかどうかも不透明です。 

電通さんは、取引先と「アマビエ」の名称を使うキャンペーンを検討していて、当時はまだ商標登録されていなかったので、第三者が商標登録をする可能性を考慮して、キャンペーン中に権利侵害が発生する可能性もあり、出願を行ったという主旨の説明を行っていますが、確かに、広告代理店という立場からすれば、リスクヘッジとして商標出願することは致し方ないかなと思います。 

もちろん、人によっては「人のものを横取りするな!」と思うかもしれませんが、現在の商標制度では、出願しないと自分達を「守れない」わけなので、「横取りする」「独占する」つもりがなければ、そこまで批判されることもないのではないかと思います。実際、電通さんの説明からは、本来の目的は商標権の取得ではなく、権利侵害のリスク回避であり、早期に出願が取り下げられました。また、「炎上」により話題となったことで、結果的として、「アマビエ」商標は登録されない方向で判断されるようになったと考えることもできます(他の「アマビエ」出願は、今のところどれも登録されていません)。 

そこで、今後、商標出願の「炎上」について報道する際は、こうした商標法の設計・事情をご理解いただき、その出願人は「権利を独占するつもりがあるのか」など、出願の奥にある「出願人の意図」を汲み取っていただければありがたいです。 

20分と短い持ち時間で、詳しい説明を省いたところも多かったですが、こうした事例を紹介する中で、商標制度の正しい理解が進めばよいかなと思っています。 

追記(7/16):この発表が記事になりました。参加された記者の方にご興味を持っていただけたようで、うれしく思います。 「電通が炎上覚悟で『アマビエ』を商標出願した理由 弁理士が分析」(ITmedia NEWS:2021年7月14日付) https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2107/14/news057.html

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外国商標登録の補助制度

2021年6月21日(月)から日本貿易機構(JETRO)の中小企業等外国出願支援事業の応募が始まっています。中小企業等の戦略的な外国出願を促進するため、外国への事業展開等を計画している中小企業等に対して、国内出願と同内容の外国出願にかかる費用の半額を助成するものです。

プライムワークス国際特許事務所でも例年この補助制度を利用した外国商標出願のお手伝いをさせて頂いています。

外国商標出願を取得する経費の半分の補助金(最大1申請あたり60万円)を受けることができ、費用の面から二の足を踏んでいた中小企業、個人事業主の皆様にはまたとないチャンスです。

申請から助成までの流れ

国内出願・登録

すでに日本の特許庁に行っている出願と同一内容(商標の名称および商品・サービス)で

行なわれる外国出願が対象となるので、日本の出願・登録をもっていることが必要です。

申請書類の提出

補助の申請書のほか、登記簿謄本・国内出願の写し・外国出願費用の見積もりなどの提出を行います。2021年度の提出期間は、2021年6月21日(月曜)~ 2021年7月21日(水曜)17時00分 (必着)です。弊所からは見積もりと協力承諾書をお出しします。

審査・結果通知

全ての申請が受託されるのではなく、審査によってその可否が決定されます。9月中旬から下旬に結果が通知されます。審査には申請書面に記載する先行調査の結果が重要になります。弊所では現地代理人を通じた先行調査およびコスト面で有利な簡易調査をご提供しています。

※簡易調査は調査対象国が限られますので、詳しくはお問い合わせください。

採択決定・出願の実施

採択決定後、国内特許事務所を通じて出願手続を行い、費用の支払いまで12月末までに行います。ここで費用は立替払いになるのでご留意ください。マドプロ国際出願でも各国への個別出願でもどちらでも問題ありません。

実績報告書の提出

実績報告書を証明書類とともに2022年1月7までに提出する必要があります。

補助金交付

2022年2月~3月に、指定口座に補助金が振り込まれます。

弊所ではこの補助制度のご利用にあたって特に追加費用をご請求しておりません。先行調査、申請、出願手続、それ以後において、サポートさせていただきます。よくわからないところがあればとりあえずお問い合わせください。

↓詳細はJETROホームページをご確認ください。
[外国出願費用の助成(中小企業等外国出願支援事業)]
https://www.jetro.go.jp/services/ip_service_overseas_appli.html”>https://www.jetro.go.jp/services/ip_service_overseas_appli.html

プライムワークス国際特許事務所 弁理士 木村純平

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国際意匠登録出願でお得に意匠登録~国際意匠登録出願のメリットとデメリット~

外国で意匠権を取得したい場合、各国別に意匠出願を行い、意匠登録を行わなければいけません。これは権利の効力は各国の領域にのみ及ぶという考え方(属地主義)をとっていることが理由です。ですので、各国でそれぞれ現地代理人費用などがかかってしまい、複数の国で意匠登録したい場合、コストが大きな問題となってしまいます。

国際意匠登録出願

そこで利用したいのが国際意匠登録出願(ハーグ協定のジュネーブ改正協定に基づく国際出願)です。各国で異なる手続や言語を経由しなくとも、スイスにある国際事務局に国際登録をすることによって、それぞれの国に簡単に意匠権を得ることができる国際的な仕組みです。

国際意匠登録出願を使う場合、現地代理人を通じずに手続をとることができるので、現地代理人費用を削ることができるのが大きなメリットとなります。

メリット・デメリット

海外で意匠権を取得する場合は、いつも国際意匠登録出願を使えばいいんでしょうか?以下のようなメリット・デメリットがあります。

利用できる国が限られている

国際意匠登録出願はハーグ協定という国際協定の締約国にしか利用することができません。たとえば、中国は締約国ではありません。しかし、アメリカ、欧州、韓国、シンガポール、ベトナムなどは加盟国で現在73ヶ国・国際機関が締約しています。

締約国一覧(特許庁)

https://www.jpo.go.jp/system/design/hague/hague_ichiran/document/index/members.pdf

日本もまとめて出願できる

日本も締約国ですので、意匠登録したい国(指定国)に日本を含めて、他の国とまとめて出願手続が可能です。

コストメリット

上述したように各国の現地代理人費用がかかりませんので、コスト的にメリットがあります。特許事務所によって手数料はかわりますが、弊所の場合、1意匠3ヶ国出願で20万円以上コストを抑えることができます。

各国の審査における応答は現地代理人を指定する必要がある

意匠の国際登録が完了すると、各商標登録出願は各国の審査に付されます。審査で何事もなく登録となった場合は問題が無いのですが、審査官から拒絶または補正指示などの通知(局通知)が来た場合、その応答は現地代理人を通じて行う必要があり、当初の見積り以上にコストが発生する場合があります

最後に

国際意匠登録出願では更新手続や名義変更手続きも一括でできるため、管理コストという面でも非常にメリットがあります。ですので、国際意匠登録出願を使うか個別出願にするかよく検討し、また、弁理士などの専門家によく相談し、賢く海外で商標権を取得しましょう。

プライムワークス国際特許事務所 弁理士 木村純平

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「外部活動報告」その4:コンテンツ東京2021(東京ビッグサイト)に参加しました。

4月に東京ビッグサイトで開催された「コンテンツ東京2021」で、日本弁理士会がブースを出した関係で、商標に関するミニセミナーをやってきました。 

「コンテンツ東京」とは、「日本最大のコンテンツビジネス総合展」と銘打ち、コンテンツ制作、権利、マーケティング、ブランディング、最先端デジタルテクノロジーなど、コンテンツビジネスに関するあらゆるサービス・製品が出展される総合展示会です。日本弁理士会は、その中の「ライセンシング・ジャパン」というコーナーで出展しまして、相談屋質問を受けたり、著作権、意匠、商標、不正競争防止法など、関連するさまざまな法域について30分程度のミニセミナーを実施したりしました。その中の商標に関するミニセミナーの一つを、私が担当したわけです。 

<多彩なセミナー内容です> 

日本弁理士会には、実務系委員会という組織があり、特許委員会、意匠委員会、商標委員会、著作権委員会、不正競争法司法委員会など、法域の専門家が集まって、制度に関する提言や調査・研究などの活動をしています。 

さすがは専門家だけあって、著作権委員会からは「『キャッチフレーズ』広告制作における著作権・商標権・不競法の注意点」と「著作権の帰属、著作権は誰のものか」、「オーファンワークス(孤児作品)の利用と私たちの取組み」、意匠委員会からは「使い易くなった意匠法」、不競法委員会からは「マリオで考える知的財産」といったバリエーションに富んだセミナーが用意されました。 

そして、私の所属する商標委員会からは「著作権だけで大丈夫?商標登録のすゝめ」と題して、「著作権の効力と商標法との関わり」について解説するセミナーを用意しました。 

<コロナ下での実施でしたが…> 

ということで、セミナー当日の4月16日、会場の東京ビッグサイトへ向かいました。直前の4月112日から東京で「まん延防止等重点措置」が適用され、どのくらい参加者がいるのか心配でしたが、いざ現場に来てみて驚きました。多くの人々が来場していて、かなり賑わっていました。入口では「マスクの着用」「体温の計測」「手指の消毒」が徹底されていて、これなら大丈夫かな、と安心したものです。厳しい状況ではありますが、業界の方々の熱気が感じられました。 

<いよいよセミナーです> 

日本弁理士会のブースに到着して思ったのは、会場の奥のほうで、人が集まってくれるのかな…という不安でした。「ライセンシング・ジャパン」というからには、主役はコンテンツに関するライセンサーとライセンシーであり、我々弁理士は、いわゆる「縁の下の力持ち」としてサポートする役割でしかありません。それはわかっているんですが、セミナー実施者としては、気になるんですよねぇ。しかも、このセミナーは最終日の夕方なんです。まさか、あの「ジョイマンのサイン会」状態になったらどうすれば…。 

と思っていたら、一人ふたりと着席される方が。これでひと安心です。 

セミナーでは、著作権と商標権などの産業財産権の違い、著作権と商標が絡んだ事例(ティラミスヒーローの件)を紹介しつつ、どういう著作物が商標登録すべきか、などを話しました。短いセミナーでしたが、参加された方にとって、何かのきっかけになればうれしく思います。 

今回、久々にセミナー講師を担当して、よい刺激になりました。これまで、依頼人の社内向け商標セミナーや若手弁理士向けの研修講座など担当してきましたが、それ以外にも商標に関する情報発信をしていきたいと思いを新たにしています。

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香港で商標登録する~出願の方法は?商標制度の特徴は?

香港でビジネスを展開するのであれば、香港で商標登録を行うことはビジネスの上で必須事項です。しかし、日本では商標登録の経験があるけれども香港で商標登録の経験が無い、特許事務所に手続を依頼しようと思うが基本的な知識は知っておきたいといった方に、香港での商標登録の基本的な知識、知っておくと役に立つ情報などを紹介します。

香港は中国の一部ですが、一国二制度の原理の下、特別行政区として独自の商標登録制度が存在します。ですので、中国で商標登録をしていても香港では有効ではないので、香港において商標登録をする必要があります。

出願の方法 

マドリッドプロトコルによる国際登録出願(マドプロ出願)は使えません。商標登録の出願は、現地の弁理士や弁護士などの代理人を通じて香港知識産権署に出願する必要があります。区分数によって費用は変わってきますので、香港での商標登録手続を手配してくれる特許事務所などから事前に見積をとってみましょう。 

【出願に必要な情報・書類】
出願人の名称・住所  英語又は中国語の表記が必要です。 
商標  文字、図形、文字と図形の組み合わせなど。音声、香りの商標の登録も認められています。団体標章、証明標章、連続商標といった商標の登録制度があります。 
指定商品・役務  指定商品・役務の区分は国際的な取り決めがあるので、ほぼ日本と同じです。 
委任状  不要です。 
香港国内における
商標使用の有無 
不要です。 

登録までの審査:審査の内容及び期間 

現地の代理人を通じ出願を行い、形式審査、実体審査が行われます。 

指定商品・指定役務に関わる留意事項 

国際分類を採用しており、日本と同様の商品・役務区分となります。 

絶対的拒絶理由:識別性が無いとの拒絶 

香港の審査では、絶対的拒絶理由、つまり、商標に識別力があるか(普通名称や記述的な表示にあたらないか)、ということが審査されます。商標に識別力があるか否かは、その表示が不特定多数に使用されているかなどの、その国での状況から判断されますので、日本では登録になっても、香港では識別力が無いと判断される可能性があります。 

相対的拒絶理由:他人の商標と抵触するとの拒絶 

香港の審査では、相対的拒絶理由、つまり、類似する他人の登録商標が存在しないか、ということが審査されます。 

拒絶理由通知への対応 

拒絶理由通知を受けた場合、6ヶ月以内に意見書・補正書の提出が可能です。拒絶理由が解消されない場合はさらに拒絶理由通知がなされ、出願人は、3ヶ月以内に聴聞(ヒアリング)を含む応答が可能です。聴聞(ヒアリング)は口頭で審査官に反論を述べることができる機会です。 

審査期間 

審査期間は約2ヶ月程度です。登録が認められると、登録許可通知が出て、その旨の公告がされます。 

異議申立 

出願公告後、3ヶ月の間に異議申立が提起される場合があり、異議申立がなければそのまま登録となります。異議申立を提起された場合、最終的な登録までその後1年程度かかります。 

登録 

登録されると、商標権は出願日を起算日として10年間有効とされます。それ以降は更新手続を行うことで権利の存続が可能です。 

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商標の拒絶理由を受け取ったら

商標登録出願を特許庁に行った場合、その商標を登録してよいかどうか審査官が審査を行います。基準を満たさないと判断された場合、「拒絶理由通知書」が出願人に送られてきます。

(1) まずどうすれば?

拒絶といっても、多くは適切な対応をとることで登録に導くことができます。まず拒絶理由通知書の内容を確認しましょう。

(i) 応答の期限

拒絶理由通知書への応答は発送の日から40日以内です。40日目が土日祝日の場合、次の日が期限日になります。

(ii) 拒絶理由

拒絶の理由が根拠条文とともに記載されています。ある程度パターンが決まっていますので、下記の対応方法を参考に対応しましょう。

(2) 拒絶理由への対応

よくある拒絶理由とその対応方法を挙げます。

(i) 商標法第3条第1項柱書

願書で指定した商品・役務(サービス)について、出願人に使用する意思があるか否かを確認するものです。商品・役務(サービス)を多く指定した場合や小売等役務(サービス)(第35類の「~の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」)を多く指定した場合に指摘されます。商品・役務(サービス)を減らす手続補正書を提出するか、自分が商標を使用している、または使用する意思があることを示す「商標の使用又は使用意思に関する証明書類等」を提出すれば解消できます。詳しくは以下のページを見ましょう。

https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/trademark/binran/document/index/41_100_03.pdf

(ii) 商標法第4条第16号

指定商品・役務(サービス)との関係で商標が品質誤認を生じるとの拒絶理由です。たとえば、商標が「○○ドーナツ」で指定商品が「菓子,パン」の場合、ドーナツ以外の菓子・パン(たとえばサンドイッチ)の商品名に「○○ドーナツ」を使うと消費者が混乱するため登録できない場合に指摘されます。誤認しないよう指定商品を補正することで拒絶解消できます。上の例だと指定商品を「ドーナツ」にすれば大丈夫です。

(iii) 商標法第3条第1項第3号

単に商品・役務(サービス)の品質や内容を表示している商標の場合に指摘されます。最近の審決では「バストケアBra」(指定商品「ブラジャー」)、「置き配保険」(指定役務「損害保険契約の締結の代理」)といった商標がこの理由で拒絶されています。意見書を提出して反論するか、一部の指定商品・役務(サービス)についてのみであればそれらを削除する手続補正書を提出します。

(iv) 商標法第4条第11号

先に出願された他人の商標と類似する場合指摘されます。意見書を提出して反論するか、一部の指定商品・役務(サービス)だけ抵触関係にあればそれらを削除する手続補正書を提出します。

(3) 書類の作成と送付

特許庁では簡単な意見書と手続補正書のサンプルを参考に公開しています。

[意見書のサンプル]
https://www.jpo.go.jp/system/basic/otasuke-n/shohyo/kyozetsu/sample_ikensho.pdf

[手続補正書のサンプル]
https://www.jpo.go.jp/system/basic/otasuke-n/shohyo/kyozetsu/sample_hosei.pdf

書類が作成できたら、以下の宛先に送ります。
〒100-8915
東京都千代田区霞が関三丁目4番3号
特許庁長官宛
※封書に朱書きで出願関係書類在中と記載し、書留・簡易書留郵便・特定記録郵便で提出します。

拒絶といっても多くは適切な対応をとることで登録に導くことができます。誤った対応でみすみす登録を逃してしまうこともありますので対応は慎重にしましょう。

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海外の商標を検索する(EU編)

欧州共同体(EU)の加盟国で商標を使いたい場合、たとえば、商品を海外で販売する契約をディストリビュータと結ぶためや、Amazonなどのオンラインショッピングサイトを通じて海外にも商品を販売する場合、欧州共同体(EU)を範囲とした商標登録をすることができます。

でも、似たような商標が先に登録されていないか調べておかないと、その商標権者と争いが生じるリスクが生まれます。

今回は欧州共同体(EU)の商標の検索方法をお伝えします。

  • 欧州連合知的財産庁(EUIPO)のデータベースにアクセスする

ブラウザでhttps://euipo.europa.eu/eSearch/にアクセスしましょう

  • 検索

(a)文字検索

下の絵の①テキストボックスに検索したい商標のキーワード、商標の文字や商標権者の名前など、を入力します。②「Search」ボタンをクリックしましょう。検索結果が表示されます。

「JAPAN」の文字で検索してみました。検索結果には、①Trade marks(商標) ②Designs(意匠) ③Owners(権利者) ④Representatives(代理人)のタブが表れます。欧州連合知的財産庁(EUIPO)は商標だけではなく欧州共同体(EU)の意匠登録も管理している組織なので、意匠もまとめて検索できるようになっています。

①Trade marks(商標)タブに検索キーワードが含まれる商標が表示されます。

(b)画像検索

商標の画像ファイルを③の場所にドラッグすると画像検索もできます。

星条旗の写真で検索してみました。

同じように検索結果には4つのタブが表れ、①Trade marks(商標)タブには検索画像と似ている商標が表示されます。

(c)詳細検索

もっと検索条件を詳細にして検索することもできます。

④「Advanced search」のリンクをクリックしてください。

検索入力画面が表示されます。

デフォルトは商標番号(Trade mark number)と商標名(Trade mark name)の2項目しか入力フィールドがありませんが、左のメニュー内の項目をクリックするとその項目の入力フィールドが追加されます。「Goods and services(商品と役務)」をクリックしてみました。

商標名に「JAPAN」が含まれ、商品に「Clothing(被服)」が含まれる商標を検索します。

結果の表示形式は①Detail View(詳細) ②List View(一覧) ③Images View(画像)の3つの形式から選べます。

①Detail View(詳細)

②List View(一覧)

③Images View(画像)

一度にたくさんの商標をみる場合は②か③がお勧めです。

  • または②からリンクをクリックするとその商標の詳細な情報が確認できます。

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海外の商標を検索する(アメリカ編)

日本以外の海外の国で商標登録したい場合、たとえば、商品を海外で販売する契約をディストリビュータと結ぶためや、Amazonなどのオンラインショッピングサイトを通じて海外にも商品を販売するために販売国の商標登録をしなければいけないような場合、まず、似たような商標がその国で先に登録されていないか調べることが必要です。

なぜなら、先に同じまたは似た商標が登録されている場合、あとから出願しても登録が拒絶されるからです。

今回はアメリカの商標の検索方法を説明します。

(1)アメリカ特許商標庁(USPTO)のデータベースにアクセスする

ブラウザからhttp://tess2.uspto.gov/にアクセスしましょう

(2)簡単な検索

上の図の赤丸で囲んだリンク「Basic Word Mark Search (New User)」をクリックすると下の画面が表示されます。

そこで「LIVE」(現在有効な商標)を選択し、「Search Term:」(検索語)の入力ボックスに検索したい商標を入力し、ボタン「Submit Query」をクリックしましょう。

商標「ABCD」で検索すると18件の商標がでてきました。

(3)もう少し詳細な検索

商品・役務が類似しなければ同じ商標でも登録の障害にはなりません。上の簡単な検索で同一の商標がでてきた、または、検索結果数が多すぎる、といった場合、商品・役務の区分を絞って検索してみましょう。

最初のページに戻ってリンク「Word and/or Design Mark Search (Structured)」をクリックします。

そこで1番目の「Search Term:」に「ABCD」を入力し、「Field:」を「Mark Index」(商標表示)と選択し、「Operator:」を「AND」と選択し、2番目の「Search Term:」に「025」を入力し、「Field:」を「International Class」(区分)を選択してみましょう。

「Submit Query」をクリックしますと、商標に「ABCD」が含まれ、区分が第25類の商標が検索できます。

次に登録日で検索してみましょう。

日付けはYYYYMMDDの8桁で入力します。20210331は2021年3月31日を表します。ワイルドカード(?と$)が使えます。?は1字わからない場合、$は1文字以上わからない場合に使います。

2020年3月に登録された商標を検索してみます。

1番目の「Search Term:」に「202003??」もしくは「202003$」を入力し、「Field:」を「Registration Date」(登録日)と選択してみましょう。

「Submit Query」をクリックしますと、2020年3月に登録された商標が検索できます。

検索項目を変えれば、複雑な検索もできますので、HELPを参照しながらいろいろと検索してみてください。

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建築物・内装の意匠が登録されました

背景

本年度から、今まで意匠登録の対象外だった建築物・内装の意匠登録が可能になりました。店舗の外観や内装に特徴的な工夫を凝らしてブランド価値を創出する企業努力を適切に保護するためです。

登録例

初めての登録が経済産業省より公開されています。

<建築物、内装の意匠が初めて意匠登録されました>

企業のブランドイメージを高めるような独創的な建築・内装の意匠が登録されています。今後も企業ブランドのシンボルとなるような建物、内装が生み出す空間を保護するべくこのような意匠登録が続々と行われると思います。

ビルや店舗の建物だけでなく、橋、学校、コンビナート、商業施設と住居の複合建築物など、あらゆる建築物を登録することが可能です。

登録に必要なもの・条件

図面・写真

意匠登録を行うには、意匠を特定する図面、写真などが必要となります。設計図、写真などがあれば、弊所にて意匠登録用に加工・準備させていただきます。

新規性

意匠登録されるには新規性が特許庁の審査官に認められる必要があります。出願手続より前にその意匠が一般に公開されていたり、自分のもの他人のものに関わらず似ている建築物・内装の意匠が公開されている場合、登録が認められません。

ただし、自分の行為によって公開されているような場合、その公開後1年以内であれば、新規性喪失の例外手続をとって、登録することができます。

より詳しくお知りになりたい方へ

建築物・内装の意匠登録について、より詳しくお知りになりたい方は、弊所の意匠担当弁理士木村まで直接お問い合わせ下さい。無料でご相談に対応させて頂きます。

プライムワークス国際特許事務所 弁理士 木村純平

弊所へのお問い合わせはこちら→

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カテゴリー: 意匠 | コメントする