新しいタイプの商標:位置商標って何?

新しいタイプの商標

平成27年4月1日からいわゆる新しいタイプの商標が出願できるようになって1年が経過しました。新しいタイプの商標とは「動き商標」「ホログラム商標」「色彩のみからなる商標」「音商標」「位置商標」で、商標の形式の多様化や諸外国での採用状況から、日本でもそれらの商標登録が制度として整えられたものです。

 

位置商標って何?

その中でも、一番わかりにくいのは「位置商標」じゃないでしょうか?規定上の定義は「商標に係る標章(文字,図形,記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合に限る。)を付する位置が特定される商標」(商標法施行規則4条の 6)なのですが、位置を特定することで何かいいことがあるのでしょうか?

 

登録例

(a)海外の登録例

海外での登録例をいくつか挙げてみます。

 ICHI_adidas 米国登録第3029127号
(アディダス社)
商標は、指定商品(Tシャツ,ジャケット,コート,スエット,シャツ)の袖に沿った3本の平行線からなる、と特定されています。
 ICHI_Levis 米国登録第2726253号
(リーバイ・ストラウス社)
商標は、シャツのポケットの外側に配置された服用の小さなマーカー又はタブから構成される、と特定されています。
 ICHI_prada 欧州登録第001027747号
(プラダ社)
商標は、履物の底の後方部分の一部に配置される赤い線、と特定されています。

(b)日本の登録例

日本でも法改正以後、以下のような商標が登録されています。

 ICHI_Dr.ci-lab 登録第5804314号
(シーズ・ホールディングス社)
商標は、商品の包装用容器の本体側面の上半部に付された赤色の図形からなる、と特定されています。
 ICHI_edwin 登録第5807881号
(エドウイン社)
商標は、ズボンの後ろポケットの左上方に付され、「EDWIN」の欧文字が表された赤い長方形のタブ図形からなる、と特定されています。
 ICHI_fujitsu 登録第5808808号
(富士通社)
商標は、閉じた状態の蓋体の開口部側の上面の稜線内側に付された図形及び蓋体の上面の中央部に付された図形からなる、と特定されています。

位置商標のメリット

  • 識別力が高まる

位置商標のメリットは、まず、標章(文字や図形など)を商品等の特定の位置に付すことで識別力を高めることができる点です。上にあげた外国の登録例ではただのライン(もしくは単色の色彩のついたライン)やタブで、それ自体で登録を受けようと思うと識別力の点で、かなり難しいでしょう。しかし、標章がいつも商品の同じ位置にあることで需用者が他人の標章と見分けることができるようになる、つまり、その分識別力が高まると言えますので、登録の可能性も高まってきます。

現在の日本の位置商標の登録例では、付された標章自体が識別力のある文字や図形であるケースばかりで、まだこの効果を示すような登録例はありませんが、いずれ、標章だけでは識別力を認められるには難しい位置商標の登録例が多く登録されるものと思います。

  • 他人の商標を排除する

商品の通常は付さないような場所に標章を付した商標であって、それを他人が真似した場合、標章自体が似ていなくても、商標権侵害を主張できる可能性があります。標章を変わった場所に付したデザインの商品を展開している場合、位置商標はより強力な権利となるでしょう。

  • 商標としてシンプルでわかりやすい

商品のどの位置に標章が付してあるかというのは、一見で判断できる非常にわかりやすい情報で、その商標は需要者への訴求力のある商標と言えます。商品のデザインを検討する際に商標を付する位置も検討することで、より広告的価値の高い商標を採択することが可能です。

ぜひ新しく採択された位置商標制度を活用し、より効果的な権利取得を目指してください!!
プライムワークス国際特許事務所 弁理士 木村純平

 

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