第21類の指定商品とは

第21類の商品とは

区分と指定商品・役務とは

 商標登録するとき、どの商品や役務(サービス)について商標を登録するか定める必要があります。区分は商品・役務を一定の基準によってカテゴリー分けしたもので、第1類から第45類までの区分に商品・役務はカテゴライズされます。たとえば、「被服」は第25類、「化粧品」は第3類にカテゴライズされています。

区分と商品・役務の概要

 特許庁で決められた商品・役務は区分とそれらに属する商品・役務の概要は以下のとおりです。

第 1 類工業用、科学用又は農業用の化学品
第 2 類塗料、着色料及び腐食の防止用の調整品
第 3 類洗浄剤及び化粧品
第 4 類工業用油、工業用油脂、燃料及び光剤
第 5 類薬剤
第 6 類卑金属及びその製品
第 7 類加工機械、原動機(陸上の乗物用のものを除く。)その他の機械
第 8 類手動工具
第 9 類科学用、航海用、測量用、写真用、音響用、映像用、計量用、信号用、検査用、救命用、教育用、計算用又は情報処理用の機械器具、光学式の機械器具及び電気の伝導用、電気回路の開閉用、変圧用、蓄電用、電圧調整用又は電気制御用の機械器具
第 10 類医療用機械器具及び医療用品
第 11 類照明用、加熱用、蒸気発生用、調理用、冷却用、乾燥用、換気用、給水用又は衛生用の装置
第 12 類乗物その他移動用の装置
第 13 類火器及び火工品
第 14 類貴金属、貴金属製品であって他の類に属しないもの、宝飾品及び時計
第 15 類楽器
第 16 類紙、紙製品及び事務用品
第 17 類電気絶縁用、断熱用又は防音用の材料及び材料用のプラスチック
第 18 類革及びその模造品、旅行用品並びに馬具
第 19 類金属製でない建築材料
第 20 類家具及びプラスチック製品であって他の類に属しないもの
第 21 類家庭用又は台所用の手動式の器具、化粧用具、ガラス製品及び磁器製品
第 22 類ロープ製品、帆布製品、詰物用の材料及び織物用の原料繊維
第 23 類織物用の糸
第 24 類織物及び家庭用の織物製カバー
第 25 類被服及び履物
第 26 類裁縫用品
第 27 類床敷物及び織物製でない壁掛け
第 28 類がん具、遊戯用具及び運動用具
第 29 類動物性の食品及び加工した野菜その他の食用園芸作物
第 30 類加工した植物性の食品(他の類に属するものを除く。)及び調味料
第 31 類加工していない陸産物、生きている動植物及び飼料
第 32 類アルコールを含有しない飲料及びビール
第 33 類ビールを除くアルコール飲料
第 34 類たばこ、喫煙用具及びマッチ
第 35 類広告、事業の管理又は運営、事務処理及び小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供
第 36 類金融、保険及び不動産の取引
第 37 類建設、設置工事及び修理
第 38 類電気通信
第 39 類輸送、こん包及び保管並びに旅行の手配
第 40 類物品の加工その他の処理
第 41 類教育、訓練、娯楽、スポーツ及び文化活動
第 42 類科学技術又は産業に関する調査研究及び設計並びに電子計算機又はソフトウェアの設計及び開発
第 43 類飲食物の提供及び宿泊施設の提供
第 44 類医療、動物の治療、人又は動物に関する衛生及び美容並びに農業、園芸又は林業に係る役務
第 45 類冠婚葬祭に係る役務その他の個人の需要に応じて提供する役務(他の類に属するものを除く。)、警備及び法律事務
商標法施行令第2条において規定する別表(政令別表)

 区分の数で国に支払う登録料などが変わります。特許事務所の手数料費用も区分の数に応じて増減する場合が多いです。

第21類の商品

包括概念表示

 各類にはそれに属する代表的な商品・役務である包括概念表示が決められています。包括概念表示は各類に属する類似群の見出しを合わせたものです。第21類の包括概念表示は以下のとおりです。

デンタルフロス,ガラス基礎製品(建築用のものを除く。),かいばおけ,家きん用リング,香炉,化粧用具,おけ用ブラシ,金ブラシ,管用ブラシ,工業用刷毛,船舶ブラシ,家事用手袋,ガラス製又は陶磁製の包装用容器,プラスチック製の包装用瓶,台所用品(「ガス湯沸かし器・加熱器・調理台・流し台」を除く。),清掃用具及び洗濯用具,アイロン台,霧吹き,こて台,へら台,湯かき棒,浴室用手おけ,ろうそく消し,ろうそく立て,家庭用燃え殻ふるい,五徳,石炭入れ,火消しつぼ,ねずみ取り器,はえたたき,植木鉢,家庭園芸用の水耕式植物栽培器,じょうろ,小鳥かご,小鳥用水盤,ペット用食器,ペット用ブラシ,洋服ブラシ,寝室用簡易便器,貯金箱,お守り,おみくじ,食品及び飲料の保冷用アイスパック,せっけん用ディスペンサーボトル,観賞魚用水槽及びその附属品,トイレットペーパーホルダー,花瓶,水盤,ガラス製又は磁器製の立て看板,磁器製・陶器製・土器製・テラコッタ製又はガラス製の記念カップ,磁器製・陶器製・土器製・テラコッタ製又はガラス製の記念たて,靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー,コッフェル,昆虫採集箱,昆虫胴乱,ブラシ用牛毛・たぬきの毛・豚毛及び馬毛

見出し

 各類には複数の類似群が含まれ、それぞれの類似群には見出しと類似群コードが付与されています。願書を作成する場合、指定商品・役務には自分が登録したい商品・役務が含まれるであろう類似群の見出しを記載しておけばカバーされるでしょう。

第21類に属する類似群

 以下が各類似群の見出しと類似群コードです。

商品・役務類似群
デンタルフロス01C01
ガラス基礎製品(建築用のものを除く。)07E01
かいばおけ09A42
家きん用リング09A48
化粧用具11A07 21F01
おけ用ブラシ,金ブラシ,管用ブラシ,工業用刷毛,船舶ブラシ13B04
家事用手袋17A08
ガラス製又は陶磁製の包装用容器18C02 18C10 18C13
プラスチック製の包装用瓶18C09
台所用品(「ガス湯沸かし器・加熱器・調理台・流し台」を除く。)19A01 19A03 19A04 19A05
清掃用具及び洗濯用具19A06
アイロン台,霧吹き,こて台,へら台19B03
湯かき棒,浴室用手おけ19B04
ろうそく消し,ろうそく立て19B27
家庭用燃え殻ふるい,五徳,石炭入れ,火消しつぼ19B29
ねずみ取り器,はえたたき19B30
植木鉢,家庭園芸用の水耕式植物栽培器,じょうろ19B32
ペット用食器,ペット用ブラシ,小鳥かご,小鳥用水盤19B33
洋服ブラシ19B37
寝室用簡易便器19B39
貯金箱19B44
お守り,おみくじ19B45
食品及び飲料の保冷用アイスパック19B50
せっけん用ディスペンサーボトル19B54
観賞魚用水槽及びその附属品19B55
トイレットペーパーホルダー19B56
花瓶,水盤20C02
ガラス製又は磁器製の立て看板20D04
香炉11A06 20F01
陶磁製・陶器製・土器製・テラコッタ製又はガラス製の記念カップ,陶磁製・陶器製・土器製・テラコッタ製又はガラス製の記念たて20E01
靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー22A02
コッフェル24C03
昆虫採集箱,昆虫胴乱25B02
ブラシ用牛毛・たぬきの毛・豚毛及び馬毛34E07

 類似群コードが2個以上あるものは、さらに以下の様に細分化されます。一部の商品が他人の商標登録と抵触するような場合は、抵触しない類似群の見出しだけ記載すればよいでしょう。

  • 「化粧用具」(11A07 21F01)→「電気式歯ブラシ」(11A07)と「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」(21F01)
  • 「ガラス製又は陶磁製の包装用容器」(18C02 18C10 18C13)→「ガラス製包装用容器(「ガラス製栓・ガラス製ふた」を除く。)」(18C02)と「陶磁製包装用容器」(18C10)と「ガラス製栓,ガラス製ふた」(18C13)
  • 「台所用品(「ガス湯沸かし器・加熱器・調理台・流し台」を除く。)」(19A01 19A03 19A04 19A05)→「鍋類,コーヒー沸かし(電気式のものを除く。),鉄瓶,やかん」(19A01)と「食器類」(19A03)と「アイスボックス,氷冷蔵庫,米びつ,食品保存用ガラス瓶,水筒,魔法瓶」(19A04)と「調理用具,アイスペール,角砂糖挟み,くるみ割り器,こしょう入れ,砂糖入れ,塩振り出し容器,しゃもじ,じょうご,ストロー,膳,栓抜(電気式のものを除く。),卵立て,タルト取り分け用へら,ナプキンホルダー,ナプキンリング,鍋敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,盆,ようじ,ようじ入れ,ざる」(19A05)

区分が何になるか調べる

 自分が登録したい商品・役務が第21類で正しいのか確かめるには、特許情報プラットフォーム/商品・役務名検索で簡単に調べることができます。キーワードをいくつか入れて登録したい商品・役務の区分が何にあたるのか調べてみましょう。類似群コードも調べることができますので、その類似群コードに該当する上記見出しを願書に記載しておくことをお勧めします。

第21類の商品で注意したいこと

 第21類の商品は家庭用生活用具が多く含まれています。第3類の家庭用品と比較すると第21類には用具としての商品であることが特徴です。

 刃物は主に8類になりますので、化粧用であっても下記の通り「かみそり,眉切りはさみ」(13A01)などは8類になります。また、電子レンジなどの「電気式加熱調理器具」は第11類になりますので注意してください。

 その他に、洗浄剤(第3類),金属製の貯蔵・輸送用コンテナ(第6類)、貯蔵・輸送用コンテナ(金属製でないもの。)(第20類),ミンチ用、粉砕用、プレス用又は破砕用の小型器具であって電動式のもの(第7類),かみそり及びひげそり用器具、散髪用バリカン及びつめ切り、マニキュア用及びペディキュア用器具(電気式及び非電気式のもの)、例えば、マニキュアセット、エメリーボード、つめの甘皮用ニッパー(第8類),食卓用刃物類(第8類)、台所用切削工具類(手持工具に当たるものに限る。)、例えば、野菜用シュレッダー、ピザカッター、チーズスライサー(第8類),シラミ取り用のくし、医療用舌擦過器(第10類),化粧用鏡(第20類),その機能又は用途によって分類されるガラス、磁器及び陶器から成る特定の商品、例えば、義歯用陶材(第5類)、眼鏡用レンズ(第9類)、電気絶縁・断熱・防音用グラスウール、半加工の樹脂ガラス又は有機ガラス(第17類)、陶器製タイル(第19類)、建築用ガラス(第19類)、織物用ガラス繊維(第22類)といった商品は他の類になりますので、注意してください。

 同じ第21類の商品・役務であっても類似群が異なればその商品・役務を商標権でカバーすることができません。たとえば、「化粧用具」(11A07 21F01)を指定していても、「デンタルフロス」(01C01)は権利としてカバーできません。同じ区分内であれば費用も変わらない場合が多いので、関連する商品については広めに指定しておくことをお勧めします。

 「スポンジ入れ」(19A06 21F01)、「食品及び飲料の調理用加熱パック」(19A05 19B50)など、類似群コードが複数付与されている商品があり、 「電気式洗顔器」(09E25 11A07 21F01)、「アロマオイル拡散用皿」(19B99)など、上記の見出しにない類似群を付与されている場合がありますので、このような商品・役務については個別に表記しておくことをお勧めします。

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この記事を書いた人

木村 純平

木村 純平

2人目の子供の誕生をきっかけに弁理士を目指してから、早くも20年が経過しそうです。商標から始まり、意匠、著作権、現在の事務所に来てからは特許、実用新案も手がけるようになり、それぞれの分野でクオリティを上げ、ユーティリティプレイヤーとして重宝されるよう精進しています。