商標弁理士のサブスク、始めませんか?〜企業が「顧問弁理士」を持つべき3つの理由〜

「弁理士にサブスク?」と聞いて、少し戸惑われたかもしれません。

多くの企業が商標について弁理士に相談するのは、「新しいブランド名を商標出願するとき」や「他社から警告書が届いたとき」といった「点の依頼」がほとんどです。しかし、これだけでは足りない場合があります。

商標に関する知財リスクは、こうした目に見える「点」だけでなく、企業の日常的な事業活動(線)の中に常に潜んでいるからです。

本記事でお伝えしたいのは、弁理士の顧問契約(サブスクリプション型サービス)を利用することで、新規の商標出願や突発的なトラブルの対応に加えて、日々の事業に潜むさまざまな法的リスクから企業を守り、事業のスピードを一切落とさないために有効な「予防法務ツール」であるということです。顧問弁理士を導入することで、御社の商標戦略は「リスク対応」から「事業推進」へと大きくシフトします。

単発の依頼では回避できない「見えないリスク」とは?

単発(スポット)の依頼では、目に見える特定の問題は解決できても、事業全体に影響を及ぼす「見えないリスク」を回避することはできません。

企画倒れのリスク:商品名決定後の「手戻りコスト」

多くの企業が経験するのが、この「手戻りによる企画倒れ」です。

時間とコストをかけて商品名やロゴを決定し、いざプロモーション段階になってから商標調査を行い、「すでに他社に登録されていた」ことが判明するケースです。このとき、パッケージや広告にかかる費用だけでなく、それまでに費やした担当者の労力や時間が無駄になります。

顧問弁理士の価値: 企画の初期段階、ネーミングのアイデアが出た段階で弁理士の簡易チェックが入ることで、手戻りリスクをほぼゼロにできます。顧問は「ダメ出し役」ではなく、「正しい道筋を示すナビゲーター」なのです。

登録商標の使用管理:適切な商標使用とアップデート

商標登録が完了した後も、安心はできません。知財管理のプロではない企業担当者が、登録した商標を「正しく」使用し続けているかチェックすることは難しいですし、企業が事業活動を進めていく中で、当初の予想とは異なるブランド展開となることもあります。その結果、競合他社の登録商標の権利範囲に触れてしまう、ということも起こり得ます。

顧問の価値: 商標登録後も、ウェブサイトや宣伝広告物での使用状況など、継続的に弁理士にチェックを依頼することで、適切な商標使用とリスク管理が可能となります。商標の更新要否判断を弁理士に依頼することで、維持費用の削減も期待できます。

契約書のミス:小さな不備が権利を弱体化させる

使用許諾契約書やウェブサイト上の利用規約など、日常的に取り交わされる文書の「知財関連の条項」に小さな不備があるだけで、いざトラブルになった際に権利を行使できなくなる可能性があります。

顧問の価値: 日常的な文書の簡易チェックを顧問弁理士が行うことで、知財の権利関係を常に強固に保ちます。小さなミスが原因で、多額の訴訟費用を払う事態を未然に防ぎます。

顧問契約を「予防法務のサブスク」として活用する3つのメリット

顧問契約は、単なる「保険」ではありません。御社のビジネスを加速させるための「ツール」として機能します。

疑問を抱えた瞬間に解決できる「スピード経営」の実現

単発の依頼では、「こんな小さなことを聞いてもいいだろうか?」「相談するたびに費用が発生するのだろうか?」という心理的なブレーキがかかりがちです。

顧問契約は、このブレーキを外します。回数や時間を気にせず、電話一本、メール一つで知財のプロにすぐに相談できる環境が整います。

この「疑問を抱えた瞬間に解決できるスピード感」こそがサブスクの最大の魅力です。意思決定の遅延を防ぎ、知財面で不安を感じることなく、御社のビジネス推進力を最大限に高めます。

商標権に関する紛争は事業にとって重大な影響を与える可能性があります。弁理士の専門知識と経験によって、貴社の事業を守り、商標権に関する紛争を未然に防止することができます。

費用の平準化と予測可能性:突発的な出費からの解放

知財トラブルは、ひとたび発生すると、対応費用が高額になりがちです。顧問料を定額で支払うことは、この予期せぬ大きな出費を避けるための「予算管理」の一環です。

毎月定額でトラブル予防に投資することで、結果的に高額な「治療費」を払わずに済み、コスト管理が容易になります。これは、企業経営において非常に大きな安心材料となります。

事業と知財を深く理解した「社外CIPO(最高知財責任者)」の存在

単発依頼の弁理士は、あくまで案件ごとの「点」の対応になります。一方、顧問弁理士は、御社のビジネスモデル、成長戦略、市場での立ち位置を深く理解しています。

まるで社内の役員のように「御社の将来のために」最適な知財戦略を、常に先回りして提案してくれる、経営層の心強いパートナーとなります。弁理士を社外の最高知財責任者(CIPO)として活用できることが、顧問契約の最大の付加価値です。

弊所が提供する「弁理士サブスク」の内容(具体的なサービス例)

弊所の月次定額サービスに含まれる主な内容をご紹介します。

  1. 知財相談(電話・メール)
    • 商標、著作権、不正競争防止法などに関する日常的な相談に対応します。
  2. 簡易商標調査(ネーミングチェック)
    • 企画段階のネーミングやキャッチコピーについて、簡易的なリスクを迅速にチェックします。
  3. 権利管理サポート
    • 御社の登録商標の更新期限を厳格に管理し、漏れがないよう事前に通知します。
  4. 文書レビュー
    • 契約書、利用規約、広告ガイドラインなど、知財関連の条項に関する簡易的なチェックを行います。

御社のビジネスを加速させる、最も賢い知財投資

顧問契約は、受け身の「保険」ではありません。御社のブランドと信用を守り、事業成長をスムーズにするための「知財インフラ」です。

定額制の「弁理士サブスクリプション」を導入することは、リスクを最小限に抑えつつ、攻めと守りの両面で、企業の競争力を高める最も効率的で賢い知財投資と言えるでしょう。

まずは、貴社の現在の知財体制に関する無料ヒアリング/初回相談をご利用ください。御社の事業フェーズと目標に最適な顧問プランをご提案させていただきます。

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商標・意匠のことならどんなことでも、お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

長谷川 綱樹

長谷川 綱樹

30歳になるまで、知財とは全くの別分野におりましたが、一念発起して弁理士となり、商標専門で現在に至ります。 そのせいか、法律よりも「人の気持ち」のほうに興味があります(いいのか悪いのかわかりませんが)。 商標は事業活動と密接に関係していて、関わる人々の「気持ち」が大きく影響します。「気持ち」に寄り添い、しっかりサポートできる存在でありたいと思っています。 出願案件では「取得する権利の最大化」を目指して、商標のバリエーションや将来の事業展開の予定など、丁寧にお話を伺います。 係争案件では「いかに円満に解決するか」を重視して、目先の勝ち負けだけでなく、将来的な問題解決を意識して対応して参ります。