区分と指定商品・役務とは
商標登録するとき、どの商品や役務(サービス)について商標を登録するか定める必要があります。区分は商品・役務を一定の基準によってカテゴリー分けしたもので、第1類から第45類までの区分に商品・役務はカテゴライズされます。たとえば、「被服」は第25類、「化粧品」は第3類にカテゴライズされています。
区分と商品・役務の概要
特許庁で決められた商品・役務は区分とそれらに属する商品・役務の概要は以下のとおりです。
工業用、科学用又は農業用の化学品 | |
第 2 類 | 塗料、着色料及び腐食の防止用の調整品 |
第 3 類 | 洗浄剤及び化粧品 |
第 4 類 | 工業用油、工業用油脂、燃料及び光剤 |
第 5 類 | 薬剤 |
第 6 類 | 卑金属及びその製品 |
第 7 類 | 加工機械、原動機(陸上の乗物用のものを除く。)その他の機械 |
第 8 類 | 手動工具 |
第 9 類 | 科学用、航海用、測量用、写真用、音響用、映像用、計量用、信号用、検査用、救命用、教育用、計算用又は情報処理用の機械器具、光学式の機械器具及び電気の伝導用、電気回路の開閉用、変圧用、蓄電用、電圧調整用又は電気制御用の機械器具 |
医療用機械器具及び医療用品 | |
第 11 類 | 照明用、加熱用、蒸気発生用、調理用、冷却用、乾燥用、換気用、給水用又は衛生用の装置 |
第 12 類 | 乗物その他移動用の装置 |
第 13 類 | 火器及び火工品 |
第 14 類 | 貴金属、貴金属製品であって他の類に属しないもの、宝飾品及び時計 |
第 15 類 | 楽器 |
第 16 類 | 紙、紙製品及び事務用品 |
第 17 類 | 電気絶縁用、断熱用又は防音用の材料及び材料用のプラスチック |
第 18 類 | 革及びその模造品、旅行用品並びに馬具 |
第 19 類 | 金属製でない建築材料 |
第 20 類 | 家具及びプラスチック製品であって他の類に属しないもの |
第 21 類 | 家庭用又は台所用の手動式の器具、化粧用具、ガラス製品及び磁器製品 |
第 22 類 | ロープ製品、帆布製品、詰物用の材料及び織物用の原料繊維 |
第 23 類 | 織物用の糸 |
第 24 類 | 織物及び家庭用の織物製カバー |
第 25 類 | 被服及び履物 |
第 26 類 | 裁縫用品 |
第 27 類 | 床敷物及び織物製でない壁掛け |
第 28 類 | がん具、遊戯用具及び運動用具 |
第 29 類 | 動物性の食品及び加工した野菜その他の食用園芸作物 |
第 30 類 | 加工した植物性の食品(他の類に属するものを除く。)及び調味料 |
第 31 類 | 加工していない陸産物、生きている動植物及び飼料 |
第 32 類 | アルコールを含有しない飲料及びビール |
第 33 類 | ビールを除くアルコール飲料 |
第 34 類 | たばこ、喫煙用具及びマッチ |
第 35 類 | 広告、事業の管理又は運営、事務処理及び小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供 |
第 36 類 | 金融、保険及び不動産の取引 |
第 37 類 | 建設、設置工事及び修理 |
第 38 類 | 電気通信 |
第 39 類 | 輸送、こん包及び保管並びに旅行の手配 |
第 40 類 | 物品の加工その他の処理 |
第 41 類 | 教育、訓練、娯楽、スポーツ及び文化活動 |
第 42 類 | 科学技術又は産業に関する調査研究及び設計並びに電子計算機又はソフトウェアの設計及び開発 |
第 43 類 | 飲食物の提供及び宿泊施設の提供 |
第 44 類 | 医療、動物の治療、人又は動物に関する衛生及び美容並びに農業、園芸又は林業に係る役務 |
第 45 類 | 冠婚葬祭に係る役務その他の個人の需要に応じて提供する役務(他の類に属するものを除く。)、警備及び法律事務 |
区分の数で国に支払う登録料などが変わります。特許事務所の手数料費用も区分の数に応じて増減する場合が多いです。
第3類の商品
包括概念表示
各類にはそれに属する代表的な商品・役務である包括概念表示が決められています。包括概念表示は各類に属する類似群の見出しを合わせたものです。第3類の包括概念表示は以下のとおりです。
家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,化粧用綿棒,塗
料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つけづめ,つけまつ毛
見出し
各類には複数の類似群が含まれ、それぞれの類似群には見出しと類似群コードが付与されています。願書を作成する場合、指定商品・役務には自分が登録したい商品・役務が含まれるであろう類似群の見出しを記載しておけばカバーされるでしょう。
第3類に属する類似群
以下が各類似群の見出しと類似群コードです。
商品・役務 | 類似群 |
家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤 | 01A01 |
かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤 | 01A02 |
口臭用消臭剤,動物用防臭剤 | 01B01 |
化粧用綿棒 | 01C01 21F01 |
塗料用剥離剤 | 03C01 |
靴クリーム,靴墨 | 03E01 |
つや出し剤 | 03F01 |
せっけん類 | 04A01 |
歯磨き | 04B01 |
化粧品 | 04C01 |
香料 | 04D01 |
薫料 | 04D02 |
研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙 | 13B03 |
つけづめ,つけまつ毛 | 21F01 |
区分が何になるか調べる
自分が登録したい商品・役務が第2類で正しいのか確かめるには、特許情報プラットフォーム/商品・役務名検索で簡単に調べることができます。キーワードをいくつか入れて登録したい商品・役務の区分が何にあたるのか調べてみましょう。類似群コードも調べることができますので、その類似群コードに該当する上記見出しを願書に記載しておくことをお勧めします。
第3類の商品で注意したいこと
第3類の商品は洗浄剤や化粧品など化学品を加工した家庭用品が多く含まれています。その原材料とは区分も類似群も異なる場合が多いので、注意しましょう。「殺菌剤」(01B01 01B02)は第5類になります。また、「医療用シャンプー、医療用せっけん」(01B01)も第5類となり、家庭用か医療用で区分が異なるのに注意してください。製品によっては、第3類の商品とも第5類の商品ともいえるものがあるかと思います。
その他に、化粧品製造用成分、例えば、ビタミン、保存剤及び酸化防止剤(第1類)、製造工程用の油脂除去剤(第1類)、煙突用化学洗浄剤(第1類)、防臭剤(人用及び動物用のものを除く。)(第5類)、医療用シャンプー、医療用せっけん、医療用ローション及び医療用歯磨き(第5類)、エメリーボード、つめやすり、手研ぎ用砥石及び回転砥石(手持工具)(第8類)、化粧用具及び清掃用具、例えば、化粧用ブラシ(第21類)、雑巾及び清浄用パッド(第21類)といった商品は他の類になりますので、注意してください。
同じ第3類の商品・役務であっても類似群が異なればその商品・役務を商標権でカバーすることができません。たとえば、「化粧品」(04C01)を指定していても、「シャンプー」(04A01)は権利としてカバーできません。同じ区分内であれば費用も変わらない場合が多いので、関連する商品については広めに指定しておくことをお勧めします。
「洗濯用仕上げ剤」(01A01 01A02)、「革用ワックス」(03E01 03F01)など、類似群コードが複数付与されている商品があり、 「靴の縫糸用ろう」(05D01)、「かつら装着用接着テープ」(21A03)など、上記の見出しにない類似群を付与されている場合がありますので、このような商品・役務については個別に表記しておくことをお勧めします。