いまだに大人気のスーパー戦隊シリーズですが、その新シリーズの名称と思われる商標が特許庁の商標公報から見つかり、一部ファンの注目を集めている模様です。
「次期戦隊名らしき名称が商標公報で発表→いてもたってもいられない特撮ファン深夜集結し緊急予想会議開催!」(おたくま経済新聞:9月13日付)
http://otakei.otakuma.net/archives/2016091301.html
新シリーズ(候補?)の名前は「宇宙戦隊キュウレンジャー」だそうです。ファンがその内容についていろいろと思いを巡らせているのが面白いですね。
ちなみにこのスーパー戦隊シリーズ、現在放送している「動物戦隊ジュウオウジャー」がシリーズ第40作目だそうです。私は戦隊モノの“第一世代”で、第1作目の「秘密戦隊ゴレンジャー」が幼稚園生のとき、小学生時代に「ジャッカー電撃隊」、「バトルフィーバーJ」、「電子戦隊デンジマン」、「太陽戦隊サンバルカン」を見ていました。そういえば当時、田島さんが「デンジマン(←田嶋ン)」と呼ばれていたような。
それはさておき、商標的なところに目を向けると、上記の公報画像からわかるとおり、この商標は平成28年8月29日に出願されていて、同年9月13日に公開されました。このように、現在の運用では、願書に記載した内容に不備がなければ、出願日の約2週間後に公開されるようになっていて、これを「出願公開」といいます。
- 商標法第十二条の二 特許庁長官は、商標登録出願があつたときは、出願公開をしなければならない。
同じ知的財産権である特許の場合は出願から1年6月後に公開され、意匠の場合は出願公開制度がありません(このように設定されているのにはそれぞれ理由があるのですが、ここでは省きます)。他の知的財産権と比較して、商標の公開がとても早いことが特徴です。このように、商標は出願後すぐに公開されてしまうので、新商品の名称を競合他社に気づかれないように登録する、というのが難しく、「いつ出願するか」に頭を悩ませる場面もたまにあります。
しかも最近では、twitterに「商標速報bot」(@trademark_bot)というものがあって、出願公開された商標の情報が自動的にツイートされるようになっています。以前は特許庁データベースで検索する等しないと入手できなかった情報が、すぐに、しかも自動的に届けられるようになっています。この機能のおかげで、以前よりも早く出願情報が広まるようになっています。企業の担当者さんからすれば、他社の情報を早くキャッチできるという面ではいい機能ですが、同時に、自社のできれば隠しておきたい出願情報も他社に知られてしまうわけですが。
実際、新規事業の展開を計画している人にとっては、「出願した商標がいつ・どのように公表されるのか」はとても重要な問題です。我々も、商標実務だけでなく、“関連する世の中の動き”についても、しっかりとアップデートしていきたいものです。
プライムワークス国際特許事務所 弁理士 長谷川綱樹