03-6826-5161

プライムワークス国際特許事務所
無料電話相談受付中

国内商標

【必見】早期審査制度とは?早期審査制度を活用しましょう!

執筆者 : 木村純平

日本国内で商標を登録するには、特許庁の審査を経ないと登録されません。これが結構時間がかかるのです。登録OKですよという登録査定、または、ちょっと問題がありますよ、という拒絶理由通知が手元に届くのにだいたい出願から4~6ヶ月かかります。そして、登録料を納付する必要もありますので、結局、登録できるには出願から6~8ヶ月程度はかかってしまいます。

早期審査制度

clock商品ももうすでに販売しているのに、そんなに待っていられない、という方多いですよね。そんなとき、お薦めするのが「早期審査制度」です。

早期審査制度とはその名のとおり特許庁に審査を早めてくれるよう申請できる制度です。ただし、なんでも早めてくれるわけじゃありません。以下に説明する一定の要件を満たす場合、特許庁が優先して早期審査してくれるのです。

早期審査を受けるための条件

指定商品・役務をすでに使用しているか

出願の指定商品・役務の全てをすでに使用している場合、早期審査の対象となります。申請にあたって、商標の使用者は出願人かライセンシーか、使用開始時期、使用場所を説明し、実際に使用していることを証明する資料を提出する必要があります。

権利化について緊急性を要するか否か

出願の指定商品・役務の一部を使用している場合、もしくは、一部の指定商品・役務の使用の準備を相当程度進めている場合、権利化について緊急性を要することという条件満たせば早期審査の対象となります。

緊急性を要するケース

出願商標と同じもしくは似ている商標を、使用(もしくは準備)している商品・役務について、他人が勝手に使っている

出願商標と似ている商標を他人が使っていても、出願商標が登録されるまでは、その使用を止める権限がありません。こんな場合、一刻も早く出願商標を登録し、警告して使用を止めさせるなどの対応策をとる必要があります。

出願商標の使用について、他人から警告を受けている

他人から商標権を侵害していると言われた場合、似てないので侵害にはあたりませんよ、と反論するのが一策なのですが、すんなりと相手が納得してくれるのは希です。しかし、出願商標が登録されれば、特許庁のお墨付きを得ることができることになりますので、相手も仕方ないとあきらめる可能性が高いでしょう。このような一刻も早い問題解決のために、早期登録が必要となります。

出願商標について、他人から使用許諾を求められている

商標の使用許諾は登録商標じゃなくても可能です。しかしながら、その商標を実際に使用するライセンシーは、商標権という裏付けがないまま使用することになるので、他人の権利を侵害している不安を拭いきれません。もし、その商標が他人の商標権を侵害するものであれば、契約不履行や損害賠償などの新たな法律問題を引き起こしてしまいます。そのような問題を生じさせないために、早期登録が必要となります。

出願商標について、海外出願も行っている

マドプロ国際登録出願の場合、もし基礎とする日本の出願が拒絶されてしまえば国際登録も消滅してしまいます。また、日本での登録が確定しないと海外への出願も進まないケースもあります。したがって、グローバルな商標戦略を円滑に行うためには日本での早期登録が必要となります。

早期審査申請のために準備する情報・書類

上述の早期審査の条件を満たすことを特許庁に説明するために、使用状況を確認し、使用(もしくは相当の準備)を証明する証拠書類の準備をすることが必要です。

使用状況の確認

以下の情報を確認しましょう

  • 使用者・・・出願人自ら使用しているのかライセンシーに使用許諾してライセンシーが使用しているのか、ライセンシーがいる場合、ライセンシーだけ使用しているのか、出願人も使用しているのか、確認しましょう。
  • 商品・役務・・・実際に使用(もしくは相当の準備)している商品・役務が何か確認しましょう。
  • 商標の使用時期・・・いつから商標を使用しているのか確認しましょう。
  • 商標の使用場所・・・どの営業所、事務所、で使用されているのか、ウェブ上で使用されている場合、そのURLなどを確認してください。

使用事実を証明する証拠書類

使用事実を証明する証拠書類は、以下のようなものをご準備ください。

  • 商標が付された商品、役務に使用される物を撮影した写真
  • 商標が付された商品、役務の内容が掲載されたパンフレット又はカタログ
  • 商標が付された商品、役務の内容が掲載された広告

また、商標の使用について相当程度の準備が進んでいる場合、予定されている使用者、使用する商品・役務、使用時期、使用場所を同様に確認し、商標の使用について相当程度の準備が進んでいることを証明する証拠書類は以下のようなものを準備しましょう。

  • 商標が付された商品が掲載されたパンフレット、カタログ等の印刷についてその受発注を示す資料
  • 商標が付された商品が掲載された広告についてその受発注を示す資料
  • 商標が付された商品の販売に関するプレス発表や新聞記事等の資料
  • 商標が付された役務の提供の用に供する物の受発注を示す資料
  • 商標が掲載された役務に関するパンフレット、カタログ等の印刷についてその受発注を示す資料
  • 商標が掲載された役務に関する広告についてその受発注を示す資料
  • 商標が掲載された役務の提供に関するプレス発表や新聞記事等の資料

緊急性を要することを説明するための準備

緊急性を要することを説明するために、それぞれのケースに応じて、以下のようなものをご準備ください。

出願商標と同じもしくは似ている商標を、使用(もしくは準備)している商品・役務について、他人が勝手に使っている

他人の名称、住所、商標の使用場所、商品・役務などを確認してください。

出願商標の使用について、他人から警告を受けている

他人の名称、住所、商標の登録番号などを確認してください。警告書の写しを特許庁に提出する必要があります。

出願商標について、他人から使用許諾を求められている

ライセンシーの名称、住所、使用許諾が求められている商品・役務などを確認してください。使用許諾契約書や使用許諾の要望書などの使用許諾を求められていることを示す書面(写し)を特許庁に提出する必要があります。

出願商標について、海外出願も行っている

出願国、出願日、出願番号などを確認してください。出願書類の写しを特許庁に提出する必要があります。

早期審査が認められれば、出願から2、3ヶ月程度で登録することも可能です。貴社のビジネスを円滑に進めるために積極的に早期審査制度を活用しましょう!!

プライムワークス国際特許事務所 弁理士 木村純平

弊所へのお問い合わせはこちら→ お問い合わせ
  • この記事を書いた人

木村純平

2人目の子供の誕生をきっかけに弁理士を目指してから、早くも20年が経過しそうです。商標から始まり、意匠、著作権、現在の事務所に来てからは特許、実用新案も手がけるようになり、それぞれの分野でクオリティを上げ、ユーティリティプレイヤーとして重宝されるよう精進しています。 経歴など詳しくはこちらを

-国内商標
-,