中国からの模倣品を食い止める~輸入差止申立ての方法~

財務省が今年上半期の税関における知的財産侵害物品の差止状況を発表しました。

http://www.mof.go.jp/customs_tariff/trade/safe_society/chiteki/cy2016/index.htm

port件数自体は昨年比で減少したものの、10年連続で1万件以上の侵害物品が発見されたことになります。90%以上の侵害物品が中国から輸出されたもので、中国が「世界の工場」であると同時に「模倣品の工場」でもあることがはっきりと示されています。

このように中国などの製造コストの低い海外から日本国内への模倣品の流通を防ぐには、日本国内へ流入する前に、税関で模倣品をとどめるのが効果的です。税関は拳銃や麻薬などとともに知的財産権の侵害物品の輸入の取締りを行い、それら知的財産権の侵害物品を没収、廃棄するのです。

しかし、税関が日本国内全ての知的財産権を把握しているはずはありません。海外の模倣品から自己の知的財産権を効果的に守るには、自分の知的財産権を主張し、侵害している物品の情報を税関に提供し、輸入差止の申立てを行うことにより、効果的な取締りを実現する必要があるのです。

商標権に基づいて申立を行う

申立を行うには、主張すべき自分の知的財産権を特定し、侵害物品がどのように侵害しているのかを特定する必要があります。税関の取締りで圧倒的に多いのが商標権侵害によるものです。2016年の前半においては、件数ベースでなんと全体の98.5%が商標権侵害に基づいた差し止めです。これは、商標権侵害の模倣品の数が多いというのももちろんありますが、商標権侵害が見た目だけで判別可能な、判別しやすい知的財産権であることが要因です。毎日何万件もの物品の処理を行わなければならない税関業務の中で、それは至極もっともなことでしょう。

自己の商標権に基づき輸入差止申立てを行う場合、申立人の情報などを記載した申立書とともに商標登録の原簿謄本・公報や模倣品と真正品を判別するためのポイントや資料を提出することが必要です。すでに係争中の場合は、判決書や警告書、弁理士などが作成した真贋の鑑定書の提出を行うこともあります。
http://www.customs.go.jp/mizugiwa/chiteki/pages/b_003.htm

申立手続きをスムーズにするために、事前に、申立を行う税関(東京税関をはじめとして9つの税関があります)に電話などで事前相談するのがよいでしょう。その後、書類をメールで送り事前にチェックしてもらったり、直接、知的財産調査官と面談を行ったりします。

申立が受理されると税関のデータベースに登録され、侵害物品の取締りの際、登録した情報が参照されることになります。

侵害物品が発見されたとき

侵害物品と疑われるものが発見されたとき、税関から輸入者の情報などが記載された通知が送られてきます。そして、およそ10日以内に権利者、輸入者双方が意見や証拠を提出します。また、申立人である知的財産権者は当該物品の点検を行うことができます。

そして、税関が最終的に侵害品であるか否かを判断し、侵害品と判断された場合、対象の物品は税関により没収されます。

輸入取締りを効果的にするために

有効に模倣品の流通を防ぐためには、単に申立の手続をすればよいというわけではありません。申立が受理されたとしても、それらの情報が不十分なため模倣品が全く発見されないのでは意味がありません。より効果的な取締りを実現するためには、まず、模倣品の情報をできるだけ多く収集し、申立に含む情報として税関に提供することが必要です。また、侵害品の情報を受理後であっても随時アップデートしてくことも可能です。

最近では、インターネット上の海外の販売サイトから直接購入する模倣品の輸入が増加しています。また、中国の販売サイトから模倣品を購入し、日本の販売サイトで販売するケースも多くあります。ですので、中国の販売サイトとして有名な「アリババ(阿里巴巴)」(企業間取引)、「タオバオ(淘宝網)」(個人間取引)や「T-mall(天猫)」(企業と個人間取引)などを検索すると模倣品の流入先情報が発見できるかもしれません。

弊所では、輸入差止申立ての手続から、模倣品情報の入手方法まで、総合的な模倣品対策のコンサルティングを提供しておりますので、お気軽にご相談ください。
プライムワークス国際特許事務所 弁理士 木村純平

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