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2004年08月30日

商標の類否 ポイント v. J-ポイント

①拒絶査定不服審判2001-12743 「ポイント」v.「J-ポイント」(非類似)
本願商標「Jーポイント」
引用商標「ポイント」

審判官は、引用商標は、「外観上まとまりよく一体的に表わされており、しかも、構成文字全体より生ずる「ジェーポイント」の称呼も、よどみなく称呼し得るものである。そして、他に「J」の文字部分と「ポイント」の文字部分を分離して観察しなければならない格別の理由は見出せない。 してみると、引用商標に接する取引者・需要者は、殊更に、前半部の「J」の文字部分を省略して、後半部の「ポイント」の文字部分のみに着目し、商取引に当たるというよりも、むしろこれを分断することなく、構成全体を一体不可分のものと認識して商取引に当たるとみるのがより自然である。」と認定して、「ポイント」の称呼を生ずる本願商標とは非類似であると審決した。

②拒絶査定不服審判2001-12967 「e-NAVI」v.「NAVI」(非類似)
本願商標「e-NAVI」
引用商標「NAVI」

審判官は、「「e」の欧文字は、商品の規格・品番としてではなく前記の意味合いをもって、他の語とともに結合することで一体の語として使用され、認識されるという実情にある。
 そうとすれば、本願商標は、電子に関連のある商品であることを暗示させる商標ということができるものの、それにとどまるものであって、全体として、一体不可分のものとして把握される一種の造語よりなる商標というべきであり、本願商標からは、「イーナビ」の称呼のみが生ずるものというべきであって、単に「ナビ」のみの称呼は生じないというべきである。」と認定し、本願商標と引用商標とは非類似であると審決した。

Posted by TM : 18:39

商標を構成する-(ハイフン)と/(スラッシュ)

商標構成中の-(ハイフン)と/(スラッシュ)は、商標全体に対して、どのように作用するでしょうか。

例えば、商標「J-○○」と「J/○○」を考えてみると、まず、前者は、ハイフンの前後の文字「J」と「○○」を一体として結びつける役割をすることがあります。これに対し、後者については、「J」と「○○」を分離して認識させると考えられることが多いのです。
すなわち、他人の先願で「○○」という商標が存在している場合、「-(ハイフン)」を含む前者の場合には、先願と非類似と判断される可能性がありますが、「/(スラッシュ)」を含む後者は、先願と類似の商標として、拒絶される可能性が高いと考えられます。

したがって、例えば、「J-○○」という商標を出願して、「○○」という先願を理由とする拒絶理由通知が出された場合でも、「J-○○」は全体として一体であるから、「○○」とは類似しない旨を主張する意見書を提出することでこの拒絶理由を覆し、登録される可能性があるのです。

拒絶理由通知が送られてくると、そこであきらめてしまう人が結構いるようです。しかしながら、意見書や補正書を提出することにより、拒絶理由が覆る可能性はあります。
ですから、拒絶理由がきたら、すぐにあきらめずに、特許事務所や弁理士に一度相談してみるとよいと思います。

Posted by TM : 16:05

2004年08月13日

外国に商標を出願する方法は?

外国で商標の権利を取得するためにはどのような方法があるでしょうか。
1.各国毎に直接出願する方法、2.EU(ヨーロッパ連合)の域内に効力が及ぶ共同体出願(CTM出願)、3.マドリッドプロトコルの締約国を効力が及ぶ国際登録出願、があります。
以下、それぞれについて、簡単に説明します。

1.出願したい国の現地代理人を通じて、各国毎に出願手続きを行います。この場合、日本での商標登録出願から6ヶ月以内であれば、パリ条約等に基づく優先権を主張することが可能です。この優先権主張が認められると、その外国出願は、最初の出願(日本の出願)の日にされたものと見なされます。

2.域内市場調和庁(OHIM)又は各国商標局を通じて一の商標出願を行うことにより、EU域内のすべての構成国をカバーすることができます。この出願では、権利を取得したい国(EUの加盟国)を指定する必要はなく、自動的にすべての国をカバーすることができます。

3.日本国特許庁への出願又は登録を基礎として、日本国特許庁を通じて、WIPOの国際事務局に国際登録出願をすることにより、マドリッドプロトコルの加盟国に出願したのと同様の効果が得られます。
この出願の場合、保護を求める加盟国を指定しなければなりません。指定する国及びその数により、出願費用が変わります。
2003年に米国と韓国が新たにマドリッドプロトコルに加盟したことにより、マドプロ出願の利用価値が高まってきています。また、今後EUもマドプロに加盟する予定です。

上記の海外出願の方法は、どれが最も良い方法かは決まっておらず、出願する国及びその数により、適切な方法は異なると考えられます。
したがって、外国出願を考える場合には、特許事務所(弁理士)に一度相談するとよいと思います。

Posted by TM : 17:46

2004年08月12日

契約書を検討する

最近、特許権や商標権について、ライセンスを与える又はライセンスを与えてもらうという契約が増えてきています。このようなライセンス契約は、書面によることが通例です。

ライセンス契約の場合、ライセンサー(権利者)の方が立場が強いのが普通ですので、ライセンシーは、何とかして、自分に有利な契約内容にする努力をしなければなりません。例えば、ライセンス料の率を引き下げる、紛争が起こった場合の補償はすべてライセンサーに負担させる、等。
しかしながら、ライセンサーもそんなに簡単に自己に不利な条件をのんでくれるはずはありませんから、全体のバランスをみて交渉をしていかなければなりません。

他方、ライセンシーの方が、契約に慣れている場合、例えば、ライセンサーが中小企業で、ライセンシーが大企業である場合、には、ライセンシー側は契約の条件の随所に自己に有利になるような内容を入れてきますので、ライセンサーは契約の項目の一つ一つに注意しなければなりません。

上述のとおり、ライセンス契約は、ライセンサーとライセンシーとの力関係や種々の事情によりその内容は変化するものですから、契約書の内容としてはこれが最も適切だ、という形はありません。そのため、相手方から契約書の検討を求められた場合に、自己に不利な条件や問題点に気づくのは難しいことです。契約書にサインをしてしまってから、自己に不利益な契約内容に気づいても手遅れです。
ですから、契約になれていない場合には、法律事務所や特許事務所の弁護士又は弁理士に相談することをお勧めします。

また、日本では、契約当事者が良好な関係であったり、知り合いである場合に、堅苦しい契約をせずに簡単な覚書や口約束で売買契約や委託契約をすましてしまう場合が多く見られます。

しかしながら、契約は、長期間継続する場合が多く、契約期間が終了するまで現在と同じ関係が続いていくとは限りません。その関係が崩れたとき、契約書の不存在又は不備が、無用な争いを招いてしまうことは少なくありません。

したがって、そのような無用な紛争を未然に防止するため、専門家の目を通ったしっかりとした契約書を交わすことが重要であることを認識することが必要なのです。

Posted by TM : 14:30

2004年08月03日

ブランドはどのように保護すればよいのでしょうか。

ブランドは、商標と同義であると言われています。したがって、商標を適切に保護することが、ブランドの価値を守ることにつながると考えられます。

商標とは、自己の製品又はサービスを他人の製品又はサービスとを区別するための、文字、図形、記号等をいいます。一般的にネーミング、ロゴマークなどと呼ばれているものは、商標に含まれます。
自己の商標を、品質がよく、需要者の志向にあった製品に付して製造販売した場合、需要者は、その製品が気に入り、次回も同じ製品を購入しようと考えます。このとき、需要者は、その商標の付された製品は良い製品であると思い、その商標のついた製品を信用したのです。このように、よい製品に同一の商標を付して継続的に販売していくと、多くの需要者が、その商標を信用し、その信用は商標にどんどん蓄積されていきます。このように蓄積されていく信用が、保護すべき商標の価値であり、ブランドの価値というものです。

では、このような信用の化体するブランド及び商標は、どのように保護すればよいのでしょうか。
品質がよく、評判のよい製品は、何もしないで放っておくと、第三者はすぐにその信用にただ乗りしようとします。すなわち、似ている商標を同種の製品につけて販売するのです。その製品が粗悪なものである場合には、信用にただ乗りされるのみならず、信用を毀損されるおそれがあります。模倣された商標がハウスマークである場合には、特にその被害は甚大です。
このような行為を事前に防止しなければならないのです。

そのためには、まずは、商標を登録して、権利を得ることが重要です。
製品を販売する(公開する)前に出願しておくことが望ましいと思います。その製品が売れるかどうか分からないから、ある程度の見通しが立ってから登録するのでもよいのではないか、と考えるかもしれません。
しかしながら、製品が販売されてしまえば、その製品を見た人すべてにその商標を登録するチャンスができます。そうすると、いざ、自分が出願しようとしたときには、もうすでに別の人が出願していた、という事態が生じてしまいます。これは、決して希なことではありません。
先に出願されてしまったものを消すことは非常に困難です。

また、商標を登録しておくと、他にどのような効果があるのでしょうか。
まず、登録しておくことにより、第三者に対して抑止力として働きます。すなわち、商標登録されている商標と同一(同じ)又は類似(似ている)商標を使用すれば、商標権侵害を構成しますから、普通、あとで損害賠償を請求されたら困ると考えて、あえてそのような行為はしないでおこうという意識が働くのです。

また、侵害されてしまった場合であっても、商標権に基づいて、現在又は将来の第三者の販売行為の差止や過去の侵害行為に対して損害の賠償を請求をすることができます。

このように、自分の大切なブランドを守るために、商標を登録することは不可欠なのです。

Posted by TM : 17:45

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