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転職体験談(弁理士Aさんの場合)
 当事務所に来る前にはメーカーに勤めていました。在職期間中、だいたい半分の期間は開発部門に所属し、半分の期間は知的財産部に所属していました。入社前から弁理士の仕事には興味があったので、開発時代に弁理士試験の勉強を開始し、弁理士試験合格後に転属を希望して知的財産部へ異動しました。もともと弁理士試験合格後すぐに転職するつもりでしたが、企業の知的財産部の経験も重要と判断して、まずは知的財産部への異動を希望しました。知的財産部時代は、広い技術分野における国内外の出願・中間処理をはじめ、他社との特許論争や審決取消訴訟を経験できるなど、知的財産部での仕事も予想以上に面白かったです。しかし、当初から外の世界で挑戦してみたいという希望は捨てておらず、最終的に事務所への転職を決意しました。

 転職時に不安に感じた点は、30代半ばという年齢と事務所経験がないという自己のキャリアでした。そのため、熱心かつ正確に指導してくれる点を第一に考慮して事務所を探しました。事務所は主にインターネットで求人情報を検索することで探しました。

 当事務所は、特許事務所にしてはめずらしく(?)HPがしっかりと作ってあって、所員の方の紹介などから事務所の雰囲気を想像することができました。面接を受けたときは、アットホームな雰囲気と所長の森下さんに「しっかりと指導する」と自信を持って言って頂いた点が好印象でした。(ただ、森下さんが実は変なギャグを言うオヤジだということだけは見抜けませんでした・・。)他の事務所も数カ所見学しましたが、一番自分に力を付けることができると判断して当事務所を希望することにしました。

 事務所経験がなかったことから、転職当初は右も左もわからず、どの仕事にも時間がかかってしまいました。特に、当事務所で担当する技術分野と自分が経験のある技術分野が異なっていたことから、転職当初は技術を理解するまでに非常に多くの時間がかかってしまいました。現在はだいぶ仕事にも慣れてきて、指導は受けながらですが、何とか業務をこなせるようになってきました。

 事務所に転職して、一番痛切に感じたのが、「プロ意識」の必要性でした。企業の知的財産部にいたときは、事務所に仕事を依頼する立場でしたが、事務所に転職すると当然企業から仕事が依頼される立場となります。このため、報酬に見合った、またはそれ以上のアウトプットをクライアントに提供しなければなりません。これができなければ自分がクライアントに見放されてしまうことになります。このため、常に「プロ意識」を持って仕事に取り組むことが必要とされます。このプレッシャーは、事務所に転職した当初の予想よりも大きなものでした。一方、クライアントに喜んで頂けた時のうれしさも予想以上でした。今後も「プロ意識」に磨きをかけ、クライアントに数多く喜んで頂けるよう、仕事に取り組んでいきたいと思っています。
転職体験談(弁理士Bさんの場合)
.まず、前職の仕事内容を教えてください。
.ある特許事務所で外内、内外の案件の翻訳と国内出願をやっていました。
 
.転職の動機は?
.以前は翻訳の仕事の比重が高くほとんど外出もしなかったので、発明者にインタビューして明細書にまとめる仕事を増やしたいと思ったのがきっかけです。
 
.この事務所に興味をもった理由は?
.弁理士として仕事をするなら、出願代理だけでなく訴訟やコンサルティングなどの多様な仕事をやってみたいと考え、将来的にそのようなことに携われるチャンスがありそうなところを探しました。また、多数のクライアントをもっていたので、技術の幅が広がるかもと感じました。
 
.面接を受けたときの感想はどうでしたか?
.特許事務所らしくないところだと思いました。面接に来たのは夏のまだ暑い盛りだったのですが、所員の方がTシャツ姿で裸足でうろうろしていたのが大変印象的でした。立地が代官山という都内有数のファッショナブルなスポットなのに、事務所内外のギャップに驚きました(内装はきちんとしていますが)。
 
.転職後に苦労したこと、意外だったことはありますか?
.入所する前は、セミを風呂場に放ったり村野武憲のまねをしたり(所員紹介を参照)おしゃべりで面白いことをしないとついていけないのではないかと不安でしたが、物静かな方もいらっしゃったので安心しました。
 あと、(体験談にこういうことを書くのもどうかと思いますが)率直にいって、帰宅時間が遅くなりました。とにかく仕事量が多いのは間違いないです。入所当初よりは処理能力もだいぶ上がっていると思うのですが、まだまだ力量不足です。もっと力をつけて早く(ワールドビジネスサテライトが始まるより前に)帰れるようになりたいです。
 
.この事務所に入って、どんな部分が成長できましたか?
.仕事が大量にあってもくじけない能力です。とかいいつつ、「もっと早く手をつけておけばよかった」と落ち込むことも多いのですが。あと、言葉そのものに対する興味が出てきました。言語学の入門書を読みながら、「これは発明の把握と似たような概念だ」「クレームの中で用語を規定することで、意味空間の一部を切り取ってくるのだな」とか自分の仕事内容に投影させると面白いです。弁理士は言葉を操る職業ですから、そういう視点も大事ではないかと思います。そう思うと、英語をはじめとする外国語も、日本語の構造を理解する上で大切ですから、英文を読むのが少し楽しくなります。いまの仕事に就かなかったら、こういった視点を持つことはなかったでしょうから、これはひとつの収穫といえるでしょう。代表はコトバに対する感覚が鋭敏なひとですから、そういうところを見習っていきたいですね。
 
.将来的な展望は?
.展望と言うほどの大それたものはないですが、取りあえずは責任ある仕事ができるようになることです。この業界もサバイバルレースですから、知識、能力とも底上げしていかなければ生き残ることは困難です。そのために外部の研修を受けたり特許以外の知識もつけたいと思っています。かといって仕事だけの生活にはしたくないですし、どう時間を捻出するかというのが悩みです。通常量の業務をこなしながら自己啓発に努めるために、いかに物事を効率的にすますかということが目下の研究対象です。
 あと、特許事務所は企業人から見ると特殊な環境ですから、ビジネスマインドをどうやって磨くかということも課題です。企業勤めであれば、同年代で管理職になっている人も多いですし、意識上の差をつけられないようにしないといけないですね。
 受験前に、弁理士資格の案内本や予備校のパンフレットなどで、三角形の各頂点に「技術」「法律」「語学」と書いてあるものをよく見かけましたが、つくづくその通りだなあと感じています。それぞれバランスよく成長させていきたいです。
転職体験談(弁理士Cさんの場合)
 私は、他の特許事務所も経験し、比較的長い実務経験を経て当事務所に入所しました。HPをみて事務所の体制や指針が自分の求めるものに近いと思ったのが応募へのきっかけです。

 IT系であるが、メカ/制御系の出願も多くてそれまでの実務経験を生かせそうな点、束縛感がなく自主性が尊重されるため、仕事へのモチベーションが維持できそうな点、設立から急成長をとげており学ぶべきところが多くありそうな点、訴訟などの権利化後の実務も積極的に行っている点、様々な経歴の弁理士が集まっており、知識や経験を共有できそうな点(HPにある「最適解の提供」が私にとっての一つのキーワードでした)などに、とても興味を感じていました。

 そう思って入所した初日、10時前に事務所のエレベータを押しても反応がない。「おかしい、日にちを間違えたかな」と思いながらたたずんでいると、事務課の女性が1名現れて所内に案内してくれました。それから2名、3名と徐々に増えましたが、技術者が現れだしたのは11時を過ぎたあたりからでした。それまで9時始業が当たり前だった私は、初日から少しカルチャーショックを受けましたが、「時間を拘束しない」という指針がまさに体現されているのだと実感しました。当事務所はいわゆる夜型で昼頃きて夜遅くまで仕事をする人が多いようです。

 入所後は、クライアントごとのチームリーダから仕事の割り振りがなされました。事務所における品質確保のために、当初は責任者によるチェックもよく行われましたが、次第に任せてもらえるようになりました。あるクライアントの案件については、当初から鑑定、侵害等についてのコンサルテーションなどもやらせてもらっています。

 当事務所は、ある程度実務経験を積んだ人にとっては比較的恵まれた環境にあると思います。仕事の実績を上げればそれなりの対価は得られますし、クライアントに迷惑をかけないことが前提にはなりますが、いつ仕事をしていつ休みをとるかは全く自由です。また、私などは郊外に自宅がありますが、仕事の効率を考慮して適宜在宅などを入れることも可能です。人によっては深夜に仕事をするほうが効率が良いのか、夕方ごろ現れるケースもあるようです。そのへん、自己管理ができて計画的に仕事を進められる人にはうってつけと思われます。

 ただ、実務経験があるに超したことはありませんが、自分のホームグラウンドを持ちつつ、他の技術分野についてもある程度柔軟に対応できることも必要になると思います。やはり仕事にも波があり、忙しい時期もあれば暇な時期もあります。一方、技術分野によってその波の時期も異なることが多いようです。そうした波を吸収しつつ仕事の実績を上げていくためには、幅広い知識と経験が必要になってきます。私の例で言えば、メカ/制御系ということで入所しましたが、専門分野の新件依頼が少ないときには、情報系など少し違う分野の仕事を回してもらうこともありました。実務経験が長くても、違う技術分野を扱う場合にはそれなりに時間がかかります。一方、近年の技術の趨勢に照らすと、あらゆる分野に情報処理の技術が絡んできているのも事実です。また、そのような境界分野が当事務所の得意とするところでもあるようですので、今後はまずそのへんを自分なりに補強していきたいと思っています。
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