劇的に早く商標登録する方法~早期審査制度を解説~

早期審査とは

商標登録したいと思っても、通常は出願手続から登録までおよそ7ヶ月(一次審査結果の通知までの期間は約5ヶ月)はかかってしまいます。最近はさらに数ヶ月時間がかかっているケースも少なくないようです。そんなには待っていられない、すぐにでも登録の必要があるといった事情を抱えている方のために早期審査制度という制度があり、この制度を利用することにより、3ヶ月以上登録までの期間を短縮することができます。

また、特許庁は2017年2月に早期審査の対象案件を拡大し、早期審査が受けやすくなりましたので、それほど緊急な事情が無い場合でも早期審査の適用を受けることができるかもしれません。

早期審査対象案件の拡大

特許庁は、昨年、ライフサイクルの短い商品・役務を扱う事業者等の早期権利化の要請に応えるため、「一部の商品について既に使用している又は使用の準備を相当程度進めており、かつ、類似商品・役務審査基準等に掲載されている商品・役務のみを指定している出願」等を早期審査の対象に加えました。

これにより、早期審査の利用者は大きく増加し、2016年では早期審査を申請した出願案件が2,210件だったのに対し、2017年にその数は3,447件になりました。

早期審査の対象となるための条件

拡大した対象案件を含め、どのような案件が早期審査の対象となるかまとめてみました。

指定商品・役務を使用していて、権利化について緊急性がある出願

既に使用している場合だけでなく、相当程度使用の準備を進めている場合も大丈夫です。使用の主体は出願人だけでなくライセンシー(使用を許諾した第三者)でも許容されます。

権利化についての緊急性は、以下のような場合です。

  • 第三者がその商標を勝手に使用している場合・・・この場合は早く権利化して、権利行使を行う必要があります。
  • 逆に、第三者から警告を受けている場合、つまり、別の商標権者から権利侵害だと言われている場合・・・権利侵害でないことを主張するためには、自分の商標を登録するのが一番です。なぜなら、特許庁の審査において、第三者の登録商標と自己の商標が非類似であることが証明されるからです。
  • 第三者から使用許諾を求められている場合・・・その商標を登録した方が、ライセンシーも安心ですし、その価値も上がるためライセンス料も高く設定できます。
  • マドプロ国際出願や日本以外の国外に出願している場合・・・マドプロ国際出願では国内の基礎出願が拒絶されると、マドプロ国際出願も失効してしまいますので、早期に審査結果を知りたいとの要請があります。マドプロ国際出願以外でも、国内で商標登録できない場合は、別の商標で国内・国外の出願をやり直すことも考えなければいけないので、同様に早期に審査結果を知りたいとの要請があります。

使用している商品・役務だけを指定している出願

①のケースとの違いは、①のケースが一部の商品・役務の使用又は使用の準備の証明で要件が満たされることになりますが、このケースでは、全ての指定商品・役務について使用又は使用の準備の証明が求められることです。

指定商品・役務を使用していて、指定商品・役務が類似商品・役務審査基準等に掲載されている商品・役務のみである出願 【新設】

この場合、一部の商品・役務の使用又は使用の準備の証明で要件が満たされることになります。また、指定商品・役務が類似商品・役務審査基準等に掲載されていれば、指定商品・役務に対する審査負担が軽減されますので、早期審査の対象に追加するとの判断になったようです。

早期審査制度活用のポイント

早期審査制度を活用するうえで一番のポイントは、上記3番目の「指定商品・役務を使用していて、指定商品・役務が類似商品・役務審査基準等に掲載されている商品・役務のみである出願」が早期審査の対象となったことから、各段に利用しやすくなったことです。類似商品・役務審査基準等に掲載されている商品・役務だけの指定であっても、基本的には類似群コードを基準に商標権の権利範囲が定められる日本の商標実務においては、ほとんどデメリットはありません。

したがって、一部の商品・役務を既に使用するか、使用の準備をしていることを証明できれば、早期審査制度を利用できることになります。

これから行う出願に早期審査を利用できるかもしれません。皆様も早期審査制度を活用してはいかがでしょうか。

プライムワークス国際特許事務所 弁理士 木村純平

 

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