タイがマドリッドプロトコルに加盟~タイで商標登録するには~

タイがマドリッドプロトコルに加盟し、2017年11月7日からマドプロを通じて出願することができるようになります。これを機にタイへの商標登録を検討される方も多いのではないでしょうか。タイで商標登録するための情報をまとめてみました。

 

商標法の改正

マドプロ加盟に先立ち、昨年7月、商標法が改正されました。主な改正で重要なものは以下のとおりです。

  1. 連合商標登録制度の廃止・・・自分の登録や出願と似ている商標を出願するといちいち連合商標にしろとの指令がきたものですが、そんな煩わしさも無くなりました。
    ※連合商標登録制度:同一出願人・商標権者の類似する商標出願・登録を連合商標として登録しなければいけない制度
  2. 指定商品/役務の部分譲渡が可能
  3. 一出願多区分制の導入・・・多区分出願する場合、コストメリットが生まれました。
  4. 音商標の導入
  5. 政府手数料の改定・・・指定商品の個数に応じて出願料金・登録料金が増加していたため、個数でコストが大きく変わってきましたが、計算方法が改善され一定の個数を超えると同額のコストで済むようになりました。
  6. マドリッドプロトコル経由の商標登録の導入

 

通常の個別出願

マドプロ加盟は11月からしかできませんので、急いで商標登録を進めたい!という方は今までと同様に個別出願を行う必要があります。審査における取り扱いはマドプロも個別出願も変わりありません。まず、いままでの個別出願の手順と審査における留意事項をまとめました。

出願手続

初めての現地代理人を通じて出願する場合、領事認証付きの委任状が必要となります。政府料金は、1区分あたり指定商品が5個までなら指定商品×1,000バーツ(約3,500円)で、それ以上の個数だと一律1区分あたり9,000バーツ(約31,500円)となります。

指定商品・役務

包括的な指定商品・役務表記(例えば、「被服」「化粧品」など)は認められないため、商品・役務表記には要注意です。

審査

タイの審査は識別性の判断が非常に厳しいです。世界で最も厳しい国と言っていいのではないでしょうか。私の経験では、日本人も意味を余り使わないような語の商標について、日本の国語辞典の記載を引用され、指定商品との関係で識別性が無いとの拒絶を受けたことがあります。引用の類似性の幅も広いです。審査期間は、12~15ヶ月ぐらいです。

登録・更新

登録時の政府料金は、1区分あたり指定商品が5個までなら指定商品×600バーツ(約2,100円)で、それ以上の個数だと一律1区分あたり5,400バーツ(約18,900円)となります。また、更新の政府料金は、1区分あたり指定商品が5個までなら指定商品×2,000バーツ(約7,000円)で、それ以上の個数だと一律1区分あたり18,000バーツ(約63,000円)となります。

 

マドプロ出願

従来のマドプロ出願のように国際登録出願の書面を作成し、指定国としてタイをチェックすればタイでの出願の効果が得られます。

料金

まだ、タイの個別手数料は発表されていません。指定国に応じた個別手数料の額は通常、区分単位で決められ、指定商品の個数で手数料を変動させることはないので、タイの場合も個別出願に準じた額が区分単位で設定されるものと思われます。したがって、商品の個数を気にせずに出願が可能になるのではないでしょうか。そうであればマドプロにメリットが生まれます。

指定商品・役務

上述の通り、指定商品・役務の包括表示は認められていないため、個別出願と同様に指定商品・役務の表記に留意する必要があります。マドプロの場合、現地代理人に事前確認することができないため、出願人もしくは国内代理人の知識と経験が頼りになります。個別出願で過去に登録となっている表記であれば問題無いでしょう。

審査

個別出願と同様です。マドプロ出願だからといって、有利・不利というのは基本無いでしょう。

事後指定

すでに国際登録している商標であれば、事後指定するのが労力・コストの面から有効な選択です。

 

最後に

今回のタイのマドプロ加盟はタイでの商標登録を検討されている方には良い契機となると思います。既に登録を有している商標権者の方も更新時期を機にマドプロの登録に切り替えるのはどうでしょうか?他の国とまとめて管理が行える管理上のメリットに加え、指定商品・役務(過去の登録であればかなり限定した商品・役務ではないでしょうか)を見直すことができます。

プライムワークス国際特許事務所 弁理士 木村純平

 

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カテゴリー: 海外商標 タグ: パーマリンク

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