マドプロ国際商標登録出願の具体的な流れ:指定商品・役務の表記で気をつけておきたいこと

外国で商標権を取得したい場合、マドリッドプロトコルに基づく国際商標登録出願(マドプロ出願)を利用される方が非常に増えています。複数の国、複数の区分で商標登録する場合のコストの安さと、近年、東南アジア各国のマドリッドプロトコル加盟が進んだことによって、ユーザーの利用が促進されている印象を受けます。そこで、今回はマドプロ出願の出願から各指定国で登録されるまでの具体的な流れを説明します。

基礎出願・基礎登録の準備

マドプロ出願を行うには、基礎となる商標出願・商標登録が必要です。日本に住所を有する個人・法人であれば日本の出願・登録を基礎とすることが多いでしょう。ここでは、日本の出願・登録を基礎とすることを前提とします。

マドプロ出願は基礎出願・基礎登録と同一の商標、同一範囲もしくはその範囲内の指定商品・役務で行う必要があるので、基礎とする日本出願をこれから行う場合は、海外でも理解されやすい指定商品・役務の表記としておくのがよいです。

 

願書の提出

出願は、WIPO(世界知的所有権期間)が定める様式に従ったマドプロ出願の願書を作成し、日本の特許庁に提出します。

 

マドリッド協定議定書による商標の国際登録出願の願書等様式(特許庁)https://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_shouhyou/kokusai/madopro0218.htm

 

願書やその他の書面は特許庁に提出すればよいのですが、WIPOに支払う国際登録料金は直接、所定口座に海外送金するなどしてWIPOに直接支払う必要があります。また、これとは別に日本の特許庁に支払うも出願手数料もありますのでご注意ください。

 

国際登録のための形式審査

日本の特許庁に提出された願書は、まず特許庁内で基礎出願・基礎登録の範囲内かどうかなどのチェックが行われ、問題が無ければWIPOに書面が送られます。内容に問題があれば特許庁から連絡があります。修正が可能なのでご安心ください。

 

WIPOでは形式的な審査が行われます。日本の特許庁とWIPOで商品・役務の区分や表記の判断が異なる場合があるので、たまに商品・役務の表記が不明確であるとか区分が異なるなどの指摘を受けることがあります。その際は、指定商品・役務の表記を補正する旨の書面をWIPO宛に日本の特許庁を通じて提出する等の対応が可能です。

区分の追加や商品・役務の削除を求められる場合や、審査官から提案された修正案が実際の商品とはニュアンスが異なる場合もあります。そうならないように、重要な商品・役務については、日本の特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)やWIPOのMGS(Madrid Goods& Service Manager)を利用して、WIPOの審査で問題がない商品・役務の表記を確認し、最初から拒絶されない商品・役務を指定しておくのがよいでしょう。

 

特許情報プラットフォーム
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage

MGS(Madrid Goods& Service Manager)(日本語ページ)https://webaccess.wipo.int/mgs/index.jsp?lang=jp

 

国際登録

形式的審査を通過して国際登録されると、国際登録の内容が記載された国際登録証が送られてきます。通常、出願から6ヶ月程度で国際登録されます。上述の補正の対応を行った場合は10ヶ月程度かかります。

 

各指定国での審査

国際登録されると各指定国(商標登録を求めると願書に記載した国)の官庁に書面が送られて、各国で審査が行われます。つまり、上記の国際登録は各国への出願準備が整ったことを意味し、各国における審査はこれからスタートします。審査は各国の運用に基づいて行われ、各国特許庁に個別に出願した場合と同じように登録か拒絶か判断されます。

マドプロ加盟国(17/12/15現在100ヶ国)

アメリカを指定国とした場合の注意点

マドプロ出願でアメリカを指定国とした場合、注意するべきなのは、指定商品・役務の表記の補正を求められることが多い点です。アメリカでの商標登録は、日本と比べてより具体的で明確な指定商品・役務の表記が求められます。アメリカの特許庁(USPTO)に現地代理人を通じて直接出願する場合は、表記の具体性について現地代理人からアドバイスを受けることができますが、マドプロ出願の場合は、基礎出願・基礎登録の内容に基づいて出願人自身が商品・役務表記を記載するので、審査の結果補正を求められることが多くなります。

国際登録する指定商品・役務の中に、明らかにアメリカの審査で認められない商品・役務表記があるような場合は、国毎に指定商品・役務の表記を変更することができるので、アメリカについては具体的な指定商品・役務の表記とするのがよいです。

プライムワークス国際特許事務所 弁理士 木村純平

 

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